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パチクリと目を丸くすれば、｢……あ、嫌ですよね、すみません｣なんて謝ってくるから、勿論首を横に振って応えた。
『そんな訳ないだろ？ほら、おいで』
腕を伸ばして、俺よりも随分背の高いユノ君を優しく撫でる。頑張ってるなー、とかカッコイイなー、とか褒めて、黒い髪の毛をふわふわと弄った。
『ホントにユノ君は頑張ってるよな、どんどん実力伸ばして上がって行って……凄いよ。
でも、無茶しすぎは駄目だぞ〜？たまにはこうやって、いっぱい甘えて良いんだからな』
｢……っ、はい、
ありがとう……ございます｣
『うん、いい子いい子』
子供をあやす様に声色を柔らかくして沢山褒める。たまには、誰かに褒めてもらう事だって生きるのに必要だ。それがよく分かるから、頭をいっぱいに撫で回す。
しばらくの間、そうやっていっぱいに褒めて撫でていた。
『……さ、そろそろアジトの中戻ろっか、皆もユノ君と喋ってみたいだろうし』
｢はい。流石にそろそろ戻った方が良いですよね｣
じゃあ行こっか、と言って、くるりとアジトの方を向いて、足を進めた。
｢…………｣
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ラック side
コツリ、と二つの靴の音が響く長い廊下。いつもの──アジトとは違う響きが、遠くにまで伝わっていた。
｢なんで今日に限って朝から任務入っちゃったのかなー｣
｢仕方ないじゃない、お昼時までには帰れそうだし頑張りましょ。｣
今日は朝から任務に出され、今大きな屋敷の中を歩いている所だった。戦闘以外の任務はやっぱり向いてないと思う。とは言え、ちゃんとやらなきゃ不味いし、ハクに褒めて貰えないから大人しく仕事していた。
でも、今日は別の意味で腰が重かった。
｢それにしても……ラックもあのイケメン君気になってたの？｣
｢……ちょーっとね、気を付けなきゃと思って｣
｢……ハク？｣
そう、ユノ君の事。今朝体験入団で黒の暴牛に来ている彼に、少しモヤモヤしていた。
｢そうなんだよねー……｡まあ、今日は手出される事は多分無いと思うけど｣
｢……あのマーキング見て手ぇ出せる程の強者だったら笑っちゃうけどね｣
｢こっちは笑い事じゃないんだよなー……｣
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｢(……噛み跡、ハクさん気付いてないのか…？それとも、)｣
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ユノ×ハクじゃないです。ユノ→ハクです。これはずっと揺らがない。ユノ君可哀想で可愛い。
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作者名：白璢 | 作成日時：2022年1月1日 20時
