まゆげとぱっつん (ページ28)

今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:41,822 hit

▽ ページ28

*

" ジュンタと一緒な事言うねんな "

.

頭にリピートされるしげの言葉

脳内にぺったり貼り付いて離れない

小さな溜息は食器の汚れを流す水の音で

かき消されて行く

あーあ、泡と一緒に流れてくれたらいいのに……

.

重『神ちゃん』

『あ… 』

重『？今から取引先行くねんけどさ、』

『あ、えと、まだ終わってなくて… 』

.

雑誌で見たけど、生では初めて見る姿

紺のストライプスーツのジャケットを羽織りながら

サッと、金の時計を付ける姿に目を惹かれて

言葉を詰まらせた

.

重『鍵、渡しとくわ』

『 …へ』

重『持ってて貰ってもええし… 』

『！』

重『 …嫌やったらポストにでも入れといてな、』

.

ちゅ、とおでこに触れるだけのキス

ポケットに入れられた鍵

おでこに手を当てて、ぼぼっ、と顔に熱が集まる

一瞬固まって、はっ！と息を吸い込み

目も合わせず出勤しようとするしげを

慌てて濡れた手を拭いて追い掛けた

.

『っ、し＿』

ピンポーン＿＿

" 起きとる？ "

重『おぅ』

.

ドア越しの会話

追い掛ける足が止まって

ゆっくり開いた玄関の先には

栗色のサラサラした髪の毛

きゅるん、とした目

" おはよ、今日はやいやんけ。"

と、グラマラスな唇と微笑むと見え隠れする八重歯

.

重『ジュンタの電話無くても起きれるわ！』

.

リビングのドアノブから

手を引いて

ズボンの上から鍵をぎゅ、と握り締めた

.

" ん？誰かおるん、"

『っ、』

重『 …ぉ、おん。ちょっと、な』

" へぇ、"

.

気まずそうに目線が来て

ジュンタさんとも目が合う

軽く頭をさげると、

.

淳『駐禁の所停めてんねん、はよ行こ』

重『ちょ、』

.

しげの鞄と手をとって、

部屋を出て行った

重『ひっぱんなて、！』

バタン、とドアが閉まる前に聞こえた声

ジュンタさんには

まるで僕なんか見えてないようだった、

.

更新遅れて申し訳ございません (汗)

私情でバタバタしておりました、、

本日より再開致します！

今後とも作品作者共々宜しく御願い致します。