まゆげとぱっつん (ページ21)

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照『 …変わらんな、もんちは』

『？』

照『ははっ、知らんでええよ。…あ！来た！』

.

空車のタクシーに乗り込み

マンション名を告げる

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照『 ……マンション変えたんか？』

『 (コクリ ) 』

照『暫く寝とき、着いたら起こすから』

.

頭を肩に寄せられてムチムチお手手が

髪を優しく撫でて行く

ラジオから流れる心地良い音楽と

車の揺れ、昔から知ってる匂い

自然と瞼が落ちてスゥスゥ、と寝息を立てた

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" ……ち、も…ち！もんち！！起きて、着いたで "

『 …あっくん、』

照『ん、エントランスまで見といたるから』

『あり、がとう』

照『暖かくして寝ぇよ、』

『またね、連絡する』

照『しんどなったら連絡な？』

『ん』

.

結局、エントランスまでとか言ってたけど

エレベーターが閉まるまで見送ってくれた

酔いは少しスッキリしたけど、

若干のフワフワは残るもので……

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『 ……あれぇ、開いてる』

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鍵穴に挿しても回らなくて

引いてみればガチャ、と開いた玄関

目を擦りながらリュックを廊下に置いて

寝室へと向かった

お風呂は明日でいいや…… 眠、い

.

ボフッ＿＿

『んぇ？』

重『は？』

『 ……な、んで？』

.

明らかにベッドの匂いが違う……

僕の声じゃない声が聞こえて体を起こすと

入口で目を真ん丸にしたお風呂上がりの、しげ

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重『なんで、て。ココ、俺の部屋やねんけど』

『 ……へっ？』

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僕の寝室にはない本棚と机

床に散らばったカタログの山

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ポカーン、としてるとベッドが沈んだ

隣にしげが座ったから

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重『もしかして、酔うてんの？』

『 …ちょっと、』

重『ふーん。水飲む？』

『貰おうかな… 』

重『その机の所にあるやつ飲んでええよ』

『ありが…… わ、』

重『っと……、何がちょっと、やねん。
フラフラやんか。』

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カタログに足元を取られた、と言い訳をしたい

その言い訳も引っ張られた手と

支えられた腰と添えられた腕によって

言わせてくれなくなる