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寂しげな目でこちらをじっと見つめる秀さん。
その目に囚われて、私は動けなくなった。
秀さんは私の右肩に触れる。
「傷跡…残ったんだな。」
そう言って、そのまま近づいてくる秀さんの顔。
キスされる?それとも…?
私はこの先に起こることが分からなくて、怯えた。
すると、すんでのところまでいって、秀さんは私の腕を掴んで起き上がらせた。
「…君は隙が多すぎる。」
いろんな感情が混ざりあって言葉が出ない。
ただ何が起こったか分からないような顔をして、秀さんを見つめた。
「怯えさせてすまなかったな。でも、気をつけろ。男はみんな狼だ。俺も、安室くんもな。」
秀さんはそれだけ言うと、部屋を出て行った。
なんだったんだ、今の。
いくら忠告をするためとはいえ、秀さんがあんなことをするなんて。
突然の出来事に脳が追いつかない。
…疲れてたのかな?
きっと、きっとそうだ。
私なんかを女として見てるわけがない。
だって私みたいに子どもみたいな女、絶対秀さんのタイプじゃないだろうし。
私が安室に油断しないための、忠告だ。それに余計な感情なんていらない。
この胸の高鳴りは、ただの驚きだ。
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赤井side
彼女は少しは俺を男として意識してくれただろうか。
つい、押し倒してしまったが怯えられるのは結構きつい。
これはかなり時間がかかりそうだな…。
俺も少し焦った方がいいのかもしれない。
安室くんに先を越されてしまう前に。
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アルファ - 赤井さん落ちもみてみたいです! (2020年4月6日 17時) (レス) id: 2d5813c050 (このIDを非表示/違反報告)
KORON(プロフ) - さわさん» う、嬉しいですっ!!!!泣行き当たりばったりで書いていますがさらにおもしろいと言っていただけるよう更新頑張ります!!コメントありがとうございます!!! (2018年8月28日 17時) (レス) id: 766c8774e0 (このIDを非表示/違反報告)
さわ - 面白い、、、(感動))更新頑張ってください!応援してます!! (2018年8月28日 17時) (レス) id: 0f495494f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:K | 作成日時:2018年8月24日 13時