よんじゅうご ページ46
萩「…なるほど?」
ハギくんは、こちらが怖くなるくらい落ち着いた様子で背もたれに寄りかかり、その長い腕を頭の後ろで組んだ。
萩「つまり、俺らを危険な目に遭わせた爆弾犯を脱走させて、その情報を何かしらの方法で公安に流し、それを追ってきた降谷ちゃんか諸伏ちゃんに、あの爆弾をつけようとした、ってわけね…」
伊「てなると、やっぱり犯人はあんときの…」
松「ああ」
陣平は頷いて、やれやれと言ったように肩をすくめた。
松「まいったぜ、これは」
『え?』
松「これでもう、あの現場にいた俺らが狙われてることはきまりだ」
『で、でも、なんで私たちを狙う必要があるの?』
「それは何とも言えないけど、」とヒロくんのくぐもった声が聞こえる。
諸「きっと、犯人に何か都合の悪いことがあるんだと思う。あの現場で、オレたちに顔や姿を見られていたとしたら、都合の悪い何かがね」
なる、ほど…。
萩「実際、どうなんだ?犯人の顔、見てねえの?」
伊「顔を見るも何も…」
『マスクつけてたもんね』
松「ああ、顔なんて一瞬も見てねえ」
萩「え〜…じゃあさ、身長とか体系的に、なんかわかることないの?」
う〜ん、と私たちはそろって頭を悩ませる。
伊「すげえ身体能力だったってことしか…」
『…でも、そんなにガタイがいいわけじゃなかった気がする、班長の方がデカかったもん』
萩「えっ、じゃあ班長いれば勝てるじゃん♪」
松「ははっ、言えてる」
伊「おまえらなあ…」
呆れたように笑う班長に、ふっと場の空気が和んだ。
諸「じゃあとにかく、また何か進展があったらすぐに伝えるよ」
ヒロくんの声も、少しだけ柔らかくなった気がする。
松「おう、俺らもそうする」
諸「あ、そうだ、ゼロからの伝言だけど」
伊「ゼロから?」
諸「さっき言ったとおり、松田とAちゃん、それと班長は犯人に顔を見られてる」
『…たしかに』
諸「名前もバレてるかもしれない。オレたちはほぼ表に出ない環境にいるからとりあえずは大丈夫だけど、3人とも気を付けて」
松「…気を付けるって言ったって」
伊「俺らが外に出ないわけいかねえもんなあ…」
『そうだよねえ、事件のことも調べなくちゃいけないし…』
萩「ったく、諸伏ちゃん、安心していいぜ。こいつらは俺が守るからさ!」
諸「萩原…(笑)」
ハギくんはニッコリ笑って、親指を立てた。
萩「とにかく、俺らは一人じゃないんだ。諦める必要は、全然ねえんだぜ!」
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蕎麦(プロフ) - あいなさん» コメントありがとうございます!!めちゃくちゃ嬉しいです🥹これからも楽しんでいただけたら幸いです✨️ (11月2日 22時) (レス) id: 6e4712d906 (このIDを非表示/違反報告)
あいな - とても良かったです!陣平ちゃんが好きなのでニヤニヤしました! (10月28日 18時) (レス) id: 1d08598e39 (このIDを非表示/違反報告)
蕎麦(プロフ) - 梨央さん» ありがとうございます〜!これからもぜひ楽しく読んでいただけたら嬉しいです! (10月28日 15時) (レス) id: 27ce214f54 (このIDを非表示/違反報告)
梨央(プロフ) - いつも楽しく見させてもらっています! とても続きが気になります(っ ॑꒳ ॑c)ワクワク いつでも更新待ってます!頑張ってください! (10月26日 23時) (レス) id: d5d12d933e (このIDを非表示/違反報告)
蕎麦(プロフ) - 魔王さん» 読んでいただいてありがとうございます!これからも更新していきますのでぜひ楽しんでください! (10月26日 22時) (レス) id: 27ce214f54 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蕎麦 | 作成日時:2022年12月15日 21時