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よんじゅうさん ページ44

松「おいA、ちょっといいか」

『ん?』


現場検証を終えた私たちは、目暮警部たちと一緒に村中さんたちに話を聞きに行くところだった。

高木くんと並んで歩いている私の腕をぐいっと掴んだ陣平は、小声で「ヒロからの伝言だ」と呟く。


『!?』


勢いよく陣平の顔を見た私は、その真剣な表情に、「ごめん、ちょっと抜けるね」と高木くんにささやいた。


高「えっ、Aさん!?」

松「わりぃ高木、ちょっと緊急なんだ」

高「も〜、またですかぁ?」

『美和子とやっといて!』

高「Aさ〜ん!」


呆れたように笑う高木くんは、肩を落として部屋に入って行った。

ごめんねぇ……。


佐「あれ、二人とも中に入らないんですか?」


遅れてやってきた美和子が、手帳を片手に私たちに尋ねる。

私が謝ろうと口を開く前に、陣平が一歩前に出た。


松「わりぃ、実は公安に呼ばれてんだ」

『え?』

佐「こ、公安!?」

松「ああ、前にも一度来たんだろ?今度は俺らに用があるんだってよ。ちょっと行ってくる」

佐「ちょっ、」

『高木くんはもう中にいるから、よろしく!ごめんね!』

佐「も〜!」


陣平に腕を引かれるがまま、私はフロアを後にした。


佐「今回の件、もう私が高木くんと組んだ方がはやい気がしてきたんだけど……」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

『ねえ、公安に呼ばれたってほんと?』


階段を上ってどこかへ向かう陣平を追いかけて、そう尋ねる。

陣平はなんでもないという顔をしてこちらを振り返る。

わっ、かっこいい……。


松「ヒロの旦那から伝言なんだ。何も間違ってないだろ」

『あ、そういう……』


階段を上り切って、陣平は会議室に入る。


萩「おっ」

伊「来たか」


そこにはハギくんと班長が並んで座り、何やらパソコンを見ていた。

陣平はガチャっと部屋の鍵を閉めて、私もそちらに行くように促す。

パソコンから目を離して、移動式の椅子でくるりと回ったハギくんは、背もたれに寄りかかるようにして私を振り返った。


萩「子どもたち、大丈夫だった?」

『うん、みんな怪我はないみたい』

萩「ひゅ〜、やるねえ」

伊「それにしてもあいつら、ほんとによく事件に巻き込まれるな……」

松「あの坊主が事件を引き寄せてんじゃねえの?」


そんなことを言いながら陣平は椅子をガラガラと持ってきて、その長い脚で椅子を跨ぎ、背もたれを抱え込むように座った。

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蕎麦(プロフ) - あいなさん» コメントありがとうございます!!めちゃくちゃ嬉しいです🥹これからも楽しんでいただけたら幸いです✨️ (11月2日 22時) (レス) id: 6e4712d906 (このIDを非表示/違反報告)
あいな - とても良かったです!陣平ちゃんが好きなのでニヤニヤしました! (10月28日 18時) (レス) id: 1d08598e39 (このIDを非表示/違反報告)
蕎麦(プロフ) - 梨央さん» ありがとうございます〜!これからもぜひ楽しく読んでいただけたら嬉しいです! (10月28日 15時) (レス) id: 27ce214f54 (このIDを非表示/違反報告)
梨央(プロフ) - いつも楽しく見させてもらっています! とても続きが気になります(っ ॑꒳ ॑c)ワクワク いつでも更新待ってます!頑張ってください! (10月26日 23時) (レス) id: d5d12d933e (このIDを非表示/違反報告)
蕎麦(プロフ) - 魔王さん» 読んでいただいてありがとうございます!これからも更新していきますのでぜひ楽しんでください! (10月26日 22時) (レス) id: 27ce214f54 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:蕎麦 | 作成日時:2022年12月15日 21時

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