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さんじゅう ページ31

『ヒロくんっ!』


奴を追いかけてそのまま飛び降りそうな勢いのヒロくんのジャケットを何とかつかみ、彼を引っ張る。


伊「おい大丈夫か!」

諸「ああ、ありがとうAちゃん、」

『あそこまで飛び移るなんて…!』


頑張ったらいけるか…?なんて考え始めた私の耳に、ゼロの声が飛び込んできた。


降「避けろ!」


その声に揃って振り向くと、ゼロが拳銃をこちらに…え、うそ!


諸「!」


今度はヒロくんが私の腕を引っ張る。


降「逃がさないよ…」


ゼロが放った銃弾は見事ワイヤーに当たるも、奴はそのまま向こうのビルに飛びつく。


伊「チッ!」

降「班長!頼む!」

伊「!」


振り向くと、ゼロがジャケットを脱ぎ捨ててこちらに走ってくる。

その意味を瞬時に理解した班長は、「マジかよっ!」と言いながらも手で踏み台を作る。

ゼロが勢いよく班長の手を蹴った瞬間、私はヒロくんを振り向いた。


『拳銃、もうひとつ持ってる!?』

諸「えっ」

『それ、さっき奪ったやつだよね?』


今ヒロくんが持っている拳銃はさきほど奴から奪い取ったものだった。


諸「あ、ああ…オレがもともと持ってたやつならここに…」

『これ借りるね!』

諸「あっ、ちょ、A!」

伊「あ、おい!」


ヒロくんの手から拳銃をひったくるようにして受け取った私は、階段を勢いよく下りて隣のビルを目指す。


諸「Aちゃん!」

『あんなの相手にゼロひとりは危ないよ!陣平をお願い!』


階段を降り終えたとき、ゼロの声が遠くから聞こえた。


降「まだ仲間が潜んでいるかもしれない!松田を頼む!」

伊「お、おう!おまえも気をつけろよ!」

降「ああ!」


奴はきっと階段を駆け上がって屋上までゼロを引き付けるはず。


『はぁ、はぁ、』


お願い、間に合って…!

だんだんと足が重たくなるのを感じながら、必死で階段を駆け上がった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

伊「ったくどいつもこいつも無茶しやがって…」

諸「班長、オレはゼロとAちゃんの援護に回るよ。奴は只者じゃない、いくら2人でもキツイと思う」

伊「そうだな、ゼロもAも拳銃の腕は心配ねえが…あの2人はどっちかがやられたら頭に血が上っちまうからな…」

諸「班長、松田を頼むよ」

伊「おう、じゃあそっちも頼むぞ!」

諸「ああ」

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蕎麦(プロフ) - あいなさん» コメントありがとうございます!!めちゃくちゃ嬉しいです🥹これからも楽しんでいただけたら幸いです✨️ (11月2日 22時) (レス) id: 6e4712d906 (このIDを非表示/違反報告)
あいな - とても良かったです!陣平ちゃんが好きなのでニヤニヤしました! (10月28日 18時) (レス) id: 1d08598e39 (このIDを非表示/違反報告)
蕎麦(プロフ) - 梨央さん» ありがとうございます〜!これからもぜひ楽しく読んでいただけたら嬉しいです! (10月28日 15時) (レス) id: 27ce214f54 (このIDを非表示/違反報告)
梨央(プロフ) - いつも楽しく見させてもらっています! とても続きが気になります(っ ॑꒳ ॑c)ワクワク いつでも更新待ってます!頑張ってください! (10月26日 23時) (レス) id: d5d12d933e (このIDを非表示/違反報告)
蕎麦(プロフ) - 魔王さん» 読んでいただいてありがとうございます!これからも更新していきますのでぜひ楽しんでください! (10月26日 22時) (レス) id: 27ce214f54 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:蕎麦 | 作成日時:2022年12月15日 21時

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