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にじゅうきゅう ページ30

松「A、ライト頼むぜ」

『ん、』


ペンライトを持って陣平の手元を照らす。


松「ったく、厄介なもん作りやがって…」

『ゼロ、大丈夫かな』

松「さあな…奴に仲間がいなけりゃいいんだが」

『…っ!』


足音のような、気配のような。

何かを感じ取って、勢いよく振り向く。


松「A?」

『…陣平、拳銃なんて持ってないよね』

松「バァカ、公安じゃあるまいし」

『…だよね』


まずい、非常にまずい…これはまずい…!


私の予想通り、足音がどんどん近づいてきて、さきほどのペストマスクが現れた。


松「!」


陣平もそれに気づいて振り向く。


『ゼロはどうしたの…』


ひとりで飛び出していった彼の無事を願いながら、私は顔を動かさずに部屋の中を素早く見渡す。

奴は拳銃を持ってる、こちらもなにか武器がないと…!


松「てめえ…」

『!』


私がマッハで脳内作戦会議をしている最中、陣平がゆっくりと立ち上がる。

ちょっと待って、まさかこの男!


『陣平ダメ!!!煽んないで!!!』


そう叫んだけれど遅かった。


松「楽しい楽しい爆弾の解体中だってのに…邪魔してんじゃねえ!」


もう!これだから松田陣平は!

私はその辺に転がっていた空き瓶を拾って投げつけ、その隙に陣平を押し倒すようにして倒れ込む。


松「うっ!」

『バカ陣平!』


空き瓶を腕で受け止め、拳銃を構えなおした奴が視界に入り、私は陣平に覆いかぶさるようにして目をぎゅっと瞑った。


松「…バカはどっちだ!」

『わっ!』


私を押し返した陣平に勢いよく抱きしめられたとき、


パン!


『!』


車のドアを抱えた班長が、弾丸を跳ね返した。


松「班長!」

伊「丸腰で、銃持ってるやつにすごんでんじゃねえ!」


勢いよく飛びのいた奴の拳銃を回し蹴りしたのは…


『ヒロくん!』

諸「ゼロは無事、」


ヒロくんは奪った拳銃を構えて、奴を睨みつけながらそう呟く。


降「すまん、助かった」

『ゼロ!』

伊「奴がぶっ壊した車のドアを持ってきて、正解だったな」


この人数じゃさすがに勝ち目がないと思ったのか、部屋を飛び出したペストマスク。


諸「待てっ!」


追いかけていくヒロくんの後に続いて、私も走り出す。


伊「あっ、A!」

降「チッ!」


私、さっき奴が陣平に銃を向けたこと、許してないから!


諸「あっ!」

『うそっ…!』


なんと奴は、非常階段から飛び降りたのだ。

さんじゅう→←にじゅうはち



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蕎麦(プロフ) - あいなさん» コメントありがとうございます!!めちゃくちゃ嬉しいです🥹これからも楽しんでいただけたら幸いです✨️ (11月2日 22時) (レス) id: 6e4712d906 (このIDを非表示/違反報告)
あいな - とても良かったです!陣平ちゃんが好きなのでニヤニヤしました! (10月28日 18時) (レス) id: 1d08598e39 (このIDを非表示/違反報告)
蕎麦(プロフ) - 梨央さん» ありがとうございます〜!これからもぜひ楽しく読んでいただけたら嬉しいです! (10月28日 15時) (レス) id: 27ce214f54 (このIDを非表示/違反報告)
梨央(プロフ) - いつも楽しく見させてもらっています! とても続きが気になります(っ ॑꒳ ॑c)ワクワク いつでも更新待ってます!頑張ってください! (10月26日 23時) (レス) id: d5d12d933e (このIDを非表示/違反報告)
蕎麦(プロフ) - 魔王さん» 読んでいただいてありがとうございます!これからも更新していきますのでぜひ楽しんでください! (10月26日 22時) (レス) id: 27ce214f54 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:蕎麦 | 作成日時:2022年12月15日 21時

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