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じゅうきゅう ページ20

『ヒ、ヒロくん、あの…』


何を言えばいいかわからず、陣平の横でわたわたする私をおかしそうに笑ったヒロくんは、目線をちらりと横に移した。


松「…おいっ、それ、」


ヒロくんの視線を追った陣平が声を上げたとき、プルルルル、という大きな音がした。


諸「ごめん、驚かせて」


そう言ったヒロくんは、柱についている受話器を外し、私たちに向ける。

ゆっくりと進んでいくと、透明な箱の中がはっきりと見えた。


松「…チッ」

『ゼ、ゼロ!』

降「久しぶりだな、松田、A」


箱の中にぽつんと置かれた椅子に座り、受話器を手にした降谷零だった。

ヒロくんはピッとスピーカーフォンのボタンを押して、それを床に置いた。

状況がまったくつかめず、私は箱に近づく。


『ゼ、ゼロ、なんなのこの箱!それにその首についてるの…』

松「どけA」


ぐいっと陣平に肩を押され、バランスを崩した私の腕をヒロくんが掴む。


『ヒロくん…』

諸「ごめんねAちゃん、連絡返せなくて…」

『い、いいよそんなの!ヒロくんが元気なら…』

諸「ふふっ、オレは元気だよ、Aちゃんがメールくれるからね」


ヒロくんは優しく微笑んで、私から手を離す。


降「落ち着け、松田」


ゼロの声にそちらを見ると、陣平が箱に両手をついてゼロを食い入るように見つめていた。


松「おいゼロ、それ…」

降「…ああ」

松「チッ、どこでそんなもん頂いたんだ!」

降「きちんと話すよ。でも、もう少し待ってくれ」

松「ああ?」

降「もうひとり、呼び出した人物がいるんだ」


ゼロはそう言って得意げにほほ笑んだ。


『…ねえヒロくん、あれって爆弾?』

諸「…ああ」


当たって欲しくなかった予想が的中し、私は奥歯を噛みしめる。

陣平の様子からなんとなくそうじゃないかとは思っていたけど、私は思わずヒロくんの裾をそっとつかんだ。


松「ハギと班長は呼ばねえのか」

降「一気に呼んだら目立ってしまう。それに、この場所に呼ぶ人数は最小限に抑えたいんだ」

松「俺らから言うぞ」

降「ああ、頼む」

諸「爆弾のことだから、最初は松田と萩原を呼ぼうかと思ったんだけど…」


そう言ってヒロくんは私を見て笑った。


諸「ゼロが、どうせ松田はAちゃんといるって言うから…」

降「な?俺の言った通りだっただろ?」

松「なんだよそれ」

『ふふっ』


なんだかこの感じがすごく懐かしくて嬉しくて、私はずっと変わらない3人を見てほほ笑んだ。

にじゅう→←じゅうはち



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蕎麦(プロフ) - あいなさん» コメントありがとうございます!!めちゃくちゃ嬉しいです🥹これからも楽しんでいただけたら幸いです✨️ (11月2日 22時) (レス) id: 6e4712d906 (このIDを非表示/違反報告)
あいな - とても良かったです!陣平ちゃんが好きなのでニヤニヤしました! (10月28日 18時) (レス) id: 1d08598e39 (このIDを非表示/違反報告)
蕎麦(プロフ) - 梨央さん» ありがとうございます〜!これからもぜひ楽しく読んでいただけたら嬉しいです! (10月28日 15時) (レス) id: 27ce214f54 (このIDを非表示/違反報告)
梨央(プロフ) - いつも楽しく見させてもらっています! とても続きが気になります(っ ॑꒳ ॑c)ワクワク いつでも更新待ってます!頑張ってください! (10月26日 23時) (レス) id: d5d12d933e (このIDを非表示/違反報告)
蕎麦(プロフ) - 魔王さん» 読んでいただいてありがとうございます!これからも更新していきますのでぜひ楽しんでください! (10月26日 22時) (レス) id: 27ce214f54 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:蕎麦 | 作成日時:2022年12月15日 21時

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