・ ページ18
緑谷side
心「……っ！！」
緑「……！」
相「心操っ…！」
歯を食いしばった心操くんが勢い良く立ち上がり、僕の胸ぐらをつかんだ。
何も言わない、ただ震える息が聞こえるだけの心操くんの表情は、下を向いていてわからない。
心「……こんなこと言っても仕方ないって、わかってる。…でも、」
緑「……うん」
心操くんはびしょ濡れの顔を上げて、僕を見据えた。
心「なんで……助けてくれなかったんだよ……！」
緑「…っ」
心「おまえが、助けてくれてたらAさんは、今頃元気だったかもしれない……」
緑「……」
みんなが知っていた。
心操くんはきちんと、わかっているということを。
とてもじゃないけど助けられる状態じゃなかったことも、誰を責めることでもないということも、A先輩のおかげで今僕らがいることも、全部。
その上で彼は、どこに向けたらいいかわからない怒りや悔しさを吐き出しているだけ。
だからきっと相澤先生も、何も言わなかったんだと思う。
心「……でも、」
心操くんの手が震えた。
心「俺がもっと……、強かったら」
心「そしたら……Aさんを助けられたかもしれないのに」
心操くんがそう力なく言って椅子に座り込んだ。
麗日さんたちの泣く声が響く。
緑「…心操くん」
心操くんに言わなくちゃいけないことを思い出した。
心操くんは涙で濡れた瞳を上げた。
緑「A先輩が意識を失う直前、君の名前を呼んでた」
心「…！？」
緑「心操くん、って」
すると心操くんは、困ったように、でもすごく嬉しそうに、とっても小さく笑った。
そのとき、
「イレイザー！」
相「！」
先生たちが走ってきた。
「Aさんの脳波に変化があります！今がチャンスかと！」
芦「どういうこと！！」
相「こっちから意識を呼び戻すには今がチャンスってことだな！」
なんだかよくわからない僕たちに、先生は言う。
「とにかく、今は部屋に入ることを許可します。声をかけ続けてください！」
一斉に視線が一人に集まった。
相「…心操、お前が行け」
心「えっ…！」
麗「心操くんしかおらんよ！」
芦「先輩、こっちに連れ戻してよ！」
麗日さんたちが泣き叫ぶと、心操くんは決意したようにうなずき、A先輩の病室へと入って行った。
皆さん、たくさん読んでいただいてありがとうございます！
順位もお気に入り登録もびっくりです……涙
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 243人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
琥珀 - 今ページ24を見ました僕は荼毘とホークスが好きです！理由？声がいいッッ！ (2022年3月18日 0時) (
レス) @page24 id: c7d9065f1d (このIDを非表示/違反報告)
蕎麦(プロフ) - (´⊙ω⊙`)ｷﾞｮｷﾞｮさん» わ〜ほんとですか！？（泣）嬉しいですありがとうございます！これからも読んでやってください…！ (2022年2月7日 22時) (レス) @page24 id: 27ce214f54 (このIDを非表示/違反報告)
(´⊙ω⊙`)ｷﾞｮｷﾞｮ - 本当っこの作品作ってくれてありがとうごさいます！この作品なきゃ生きていけないです（笑）これからも頑張ってください！ (2022年2月7日 20時) (レス) @page23 id: a5d6acad87 (このIDを非表示/違反報告)
蕎麦(プロフ) - さらさん» さらさんありがとうございます!!😭ほんとに嬉しいです🥺こちらこそありがとうございます!!✨ (2022年2月2日 13時) (レス) id: 6e4712d906 (このIDを非表示/違反報告)
さら - 移動おめでとうございます！！いつも更新たくさんありがとうございます！！心操くん格好よすぎです！！いつも楽しみにしてます！！ (2022年2月2日 0時) (レス) @page9 id: f9b4a84be1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：蕎麦 | 作成日時：2022年1月30日 12時
