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特別な帰り道。 ページ3







「A〜」
「あ、すにょんくん!」

「ごめん、待った?」
「ううん、今来たとこ」
「よかった。じゃ、行こっ」

彼はダンス部に入部していて、帰りは遅くなることが多いから一緒に帰れるのが少ないんだけど。
今日はたまたまわたしも委員会の仕事があるから遅くなるって話から二人で帰る約束をしました。

校舎の前で彼のことを待っていたら、走っていたのか、息をあげながら私を見つける彼。

また、そういうところにも胸が高鳴っちゃうんだよね。
自分よりも相手の事考えてくれるところ。


二人で並んで帰る帰り道。
隣に人が居るってことにとても安心する。
特にすにょんくんだし。

今日の帰りはきっといつもより速く感じるだろうな。




正門を抜けて、少しした時右手に感じる優しい温もり。
目を向ければ、彼の大きな手がわたしの小さな手をにぎっているのがわかった。

「す、すにょんくん?」

彼に目線を上げると、目を糸のようにして微笑んでいるすにょんくん。

別にいいでしょ
だって。

いいよ、いいけどさ。
突然はちょっと心臓に悪いよ。
きゅーって痛む。

それに私…手汗とかかいてないかな。
どうしよう、湿っていたら。いやだな。

恥ずかしさのあまり、足元のローファーばっかり見てそんなことをぐるぐる考えてしまう私。




すると、右手にまたしても違和感を感じて。
すにょんくんが私の指に自分の指を絡め始めていた。


ん、


ん!?
ちょ、これは…
俗に言う′恋人繋ぎ′というものでは。


「───な、すにょ…!?」

「やっと俺の事見た。今日はどうしてそっぽばっかり向いているんですか〜」

そう言って指を絡めるのを止めない彼は、にんまりとした笑みを浮かべていた。

そ、それはすにょんくんのせいでしょうがー!

前言撤回。
今日の帰りは長くなりそうな予感しかしないです。


「A、どうしちゃったの?」
「し、知らない」
「はは」





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作者名:めろんぱん。 | 作成日時:2020年5月12日 16時

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