ストロベリーホーム【Ryosuke.Y】 (ページ6)

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私、気にしすぎなのかな……

私が思うよりも、
紫耀は私のことなんとも思ってない？

だけど、
じゃあどうしてあんな辛そうな顔で私を見たの？

………わからない。

私には今の紫耀が全くわからない。

こんな事で、もう悩みたくないのに。

涼介くんを不安になんてさせたくないのに……

バイトから帰った家の中、
私は夕食の準備をしながら考えていた。

いっそ、
紫耀に新しい恋が出来ないかな。

………あれ、そう言えば…

A「………優子ちゃん…」

そうだ。

私に待っていて、と言った次の日彼は突然あの子と付き合い始めた。

もしかして、何か理由があった………？

私はもしかすると、

紫耀と交わした約束を、
破ってしまった？

A「……！」

指先に走る痛みではっと我に帰ると、
玉ねぎを切っていたはずの包丁は、

私の指を赤く染めていた。

A「……っやっば」

玉ねぎに血がつきそうになり、
慌ててまな板から指を離した。

絆創膏のある箱を開けようとしたけど、

何故か急に動揺してしまって、

汗が止まらなかった。

ああ、もうこんな時に……………

A「っきゃ！」

私の手は滑って、
箱は床に無残に落ちた。

……………何してるんだろう私。

……私、紫耀を置いて幸せになってもいいの……？

なんて、最低なことをしていたの？

紫耀は私を、

A「……迎えに来てくれたんだ…」

指から流れる
ざんこくなほど赤い血は
どくどくと止まらなくて。

今更気づいた彼の優しさと決意に、

汗が止まらなかった。

A「……っ…」

言葉を失って、
ただその血を眺めていた時。

廊下の奥から『ガチャ』とドアの開く音がして、

気がつくと、彼が床に座り込んで動けない私を見下ろしていた。

涼介「………な、にしてんの！」