ストロベリーホーム【Ryosuke.Y】 (ページ4)

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涼介「じゃあ仕事行ってくるわ」

身支度をして、
私よりも先に出る涼介くん。

今日は土曜日だけど、
芸能人の休みに土日祝日は関係ない。

ほんの少しだけ寂しい休日だけど、
涼介くんといたら何をしても楽しいし、

辛いことは忘れられるから、

デートなんて行けなくても、
毎日涼介くんのそばにいられるだけで充分。

A「うん、行ってらっしゃい。

あ、忘れ物とかない？
ハンカチとか財布とか携帯とか……」

涼介「俺は何歳だよ笑」

A「だって忘れたら大変でしょ？

今日は泊まりの仕事だっけ…」

涼介「ううん、
今日はAの部屋に帰る。

Aは？バイト？」

A「うん、でも仕込みだから夕方には帰ってるよ

あ、ご飯作って待っとくね」

ちょっと怖いな……なんて言いながらも、

ありがと、と涼介くんは笑って
部屋を出て行った。

こうやって毎回、
私は忘れ物、とか今日は遅いの？とか。

前日に確認してるはずなのに聞いちゃうのは、
1秒でも涼介くんと長く居たいから……

なんて言ったら何と言われるかな。

気持ち悪い、なんて笑われそうだなあ。

A「よし……」

自分の部屋に戻って、
バイトの支度を済ませて、

昼になったら家を出た。

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A「おはようございます……………て、あれ」

店に入ると、

うーっす、と返したのは
店長と紫耀の2人で、

仕込みをもう始めていた。

A「紫耀ちゃん……？

今日も変わってあげたの？

確か、シフト佐藤さんじゃなかった？」

紫耀「ん？そうそう。

なんか熊本の彼氏が急遽帰ってくることになったって」

佐藤さん彼氏いたのか……

と、私やなんなら涼介くんよりもう少し年上の同じバイト先の彼女を思い浮かべた。

そう言えば、
『あの日』も紫耀はバイトを変わっていて、

私のそばに少しでも長く居たい、と言ってくれた。

………私が、涼介くんにそう思うのと同じように。

好きじゃないとは言えど、
紫耀に対する思いは正直まだ、

心のどこかで絡まっていた。