ストロベリーホーム【Ryosuke.Y】 (ページ25)

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A「…………涼介くん、ごめんね？」

肩に顎を乗せる涼介くんに、

……申し訳なくて謝ってしまった。

涼介「なに？」

A「……その、

待っててくれてるんだ、よね。その時を」

体を離して、
姿勢を立て直す。

言っているうちにだんだん
頬が熱くなってきて、

それを見て涼介くんも、『あぁ…』と頷いた。

A「……涼介くんはだって、

初めてじゃないでしょ？」

涼介「………」

A「言っていいんだよ？笑」

涼介「……はは、そうだね。

うん」

やっぱり……と
分かりきっていたけどやっぱり、

少しだけ落ち込んだ。

A「………初体験って、

キスでもなんでも、忘れられないものになるからさ……失敗したら、って考えると怖くて」

涼介「たしかにね…

俺そんな下手じゃないけどなあ笑

Aのファーストキスは？俺？」

目をきらきらさせて言ってくるものだから、
さぞかし『そうだよ』とか言う答えを期待しているのだろうけど。

きっと、
違うって言ったらまた拗ねる。

けど嘘をついて、
後々バレちゃった時はもっと怒られる。

だから、
首を横に振った。

A「……………違う」

涼介「……え、

大ショック～…………」

今日はほんとにヤキモチ妬きな涼介くんが、
可愛くて仕方なかった。

私の肩にポスンと
顔を埋めてグリグリと押してくる。

涼介「そうだよね～…

18って子供なようであって大人だもんね～

あ、まってもしかして平野……」

A「うん…」

えーっと、
少し大きい声を出して、

肩から頭を離したと思えば、

私の唇にチュッと、自分の唇を押し当てた。

突然の事で
顔はまた赤くなる。

A「……びっくりした…」

涼介「あー……

一週間ってマジで長い…今日からまた一週間…」

頑張ろ？と
頭を撫でると、子供のように『うん』と笑った。

…………だけど、

私達が次に会う日は

…………この恋に大きく亀裂が入る日になるなんて、

誰も予想していなかった。