ストロベリーホーム【Ryosuke.Y】 (ページ22)

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パチ、

急に目覚めたと思えば、
もう外は真っ暗だった。

私、今まで寝ちゃってたんだ。

疲れてたのかな。
さすがに寝すぎじゃ………？

せっかくの休日、
就寝して無駄にするなんて、バカ……

ムクっとソファから体を起こすと、
カチャン、とキッチンで音がして、

驚いてふりかえった。

A「……………りょ、すけくん…」

私の予想は当たった。

今日は会えないと思っていた彼が、
コンロに向かって料理をしていた。

私の声に、
一週間ぶりの彼はニコッと笑った。

ほら、大丈夫じゃん………

涼介「おーはよ、

仕事早く終わったから急いで帰ってさ。

なのに部屋入ったらスヤスヤ寝てたから。

起こさないでいた笑」

A「……え！

は、恥ずかしいな…

あ、いつから来てたの？」

んー？と涼介くんは
時計を見て『さっきだよほんとに』と
言いながら、フライパンの中にある食材の味見をしていた。

A「そっか……お疲れ様！

なにか手伝うよ」

涼介「もう出来上がっちゃった」

A「あ、じゃお皿は出す」

立ち上がってお皿の棚に手を入れ、
机の上にゆっくりと置いた。

その上に
涼介くんが作ってくれたチャーハンが丁寧に盛り付けられていく。

A「ごめんね、作らせちゃって」

涼介「Aが自炊したら指怪我するんじゃないか、怖いもん

今日の朝もコンビニ弁当だったみたいだし？」

プラスチックのゴミ箱の中
無残に捨てられた容器を顎でくいっと示した。

A「……あ、ははぁ…

今日遅くに起きちゃったし…」

涼介「さては夜更かし？」

A「……ん、

昨日もバイトだった。

ちょっと、いつもより疲れてたかな」

紫耀のほっぺ、
叩いちゃった…

なんて言えなくて
少しだけ言葉をにごした。

涼介くんはフライパンをコンロに戻し、
心配そうに私の顔をのぞき込んだ。

涼介「……ごめんな、

…………寂しい思いさせてるよな」

涼介くんの口は、
ゆっくりと動いた。