ストロベリーホーム【Ryosuke.Y】 (ページ16)

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紫耀「……Aって、

やることなすこと、言うことまでおかしいんだもん」

え、と動きが止まった私に
誤魔化すように紫耀はコーラを飲んだ。

喉が痛え、と目をぎゅっとつぶってから
『ね？』と私を見た。

A「…………そ、か」

紫耀「……はは
ごめんごめん、

言ってみたかっただけ笑」

何それ……

本当に気が狂う。

紫耀に恋した時間、

一緒にいた時間、

忘れるはずのない大切な時間。

初恋、ファーストキス。

今思うと、私の初めてのほとんどは、

紫耀だった。

遠慮がちに
カルピスをグビっと一口飲むと、

いつも通りの何も変わらない味が染み渡っていた。

A「…………ありがと」

紫耀「ん？
ああ……カルピスね。

どーも」

ただ、
私が好きなのはやっぱり涼介くんなんだよね…………

紫耀からいっそのこと、

新しい好きな子ができたって報告が聞けたらいいのに。

そんなことを思っていると、

ポケットの中の携帯が鳴った。

A「………………」

送り主は、
噂をすれば、涼介くんだった。

けど、
画面に映るその文字は私の心を締め付けた。

『明日会えなくなった。ごめん』

またか………………

週に1度のチャンスを、何度も逃している私たち。

これで2度目かな。

最初は、
マメに連絡してる私とは反対に
涼介くんはいつも『今忙しい！』とだけ返していた。

…………もしかして、
私の事好きじゃ無くなったの？

そう思うと、
目尻がじわっと熱くなった。

紫耀が隣にいるから、
泣いちゃダメだと分かってる。

ぐっとバレないように堪えたけど。

そう簡単にはいかないみたいで、

隣に座る紫耀は、
私の携帯の画面をじっと見ていた。

A「……ご、ごめん…

一緒にいる時に携帯なんて見ちゃダメだよね…」

紫耀「なあ、……

アイツと上手くいってないの？」

気がつくと、
紫耀の手は私の手の甲に重ねられていた。