ストロベリーホーム【Ryosuke.Y】 (ページ15)

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A「いらっしゃいませ、何名様でしょうか？」

かなりこのバイトに慣れてきて、
案内まで任されるようになった私。

嬉しいんだけど、
少し人見知りだから緊張もある。

紫耀「A、

だいぶ上手くなったよな」

案内を佐藤さんと代わって
厨房に入ると、
キッチンにいた紫耀がニコりと笑っていた。

紫耀「俺、正直Aがバイトするって聞いて心配だったからさ～

いやー、成長したよな」

感動したように
頷いて話す紫耀に、ついふふっと吹き出した。

A「紫耀ちゃん、お父さんみたい笑

我が子の成長を見守ってきた感」

紫耀「……いやちげえわ！

って、そうでも無い……か」

認めちゃうんだ……と
失笑すると、
料理が出来上がっていて急いで運んだ。

時刻は11時になっていた。

A「……今日も疲れた～……よく寝れる」

紫耀「おつかれさん」

紫耀と同じタイミングで上がって、
着替え終わると私はソファに項垂れた。

そんな私に、
ほいっと何かを投げた紫耀。

慌ててキャッチした手の中には、

A「……カルピス」

紫耀「Aの元気の源って、

昔言ってたの覚えてる？笑」

隣にどかっと座ると、

部屋に缶のジュワッとした音が響いた。

ああ、小学生の頃
ホントはダメなのに買い食いしてたなあ……

ジュースは必ず私はカルピスを飲んでた。

そんな昔のことを
紫耀はいつも覚えてくれている。

A「……よく覚えてるよね。

私、今までそんなこと頭になくカルピス飲んでた」

笑って
なんの意味もなく言ったあと

紫耀は少し間を置いた。

紫耀「…………Aのことならなんでも覚えてるかな」

首を傾けた先には、

切なそうな横顔が目に入った。