ストロベリーホーム【Ryosuke.Y】 (ページ1)

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幸せページ1

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A「ただいま～……？」

午後11時。

いつになっても慣れないワクワクと、

ほんの少しだけ帰りが遅れちゃったから
怒ってないかの気持ちで不安な心。

私は苗字である『赤井』の表札じゃなくて、

大好きな人の名前、

『Yamada』の表札のドアの鍵をゆっくり開けて、
ドアを開けた。

A「……涼介くん？」

最近仕事詰めだから
疲れてるかな、もう寝ちゃってるかな、と

恐る恐るリビングに入ると、

唇を尖らせて携帯を触る、愛しい彼が

テーブル頬杖をつきながら座っていた。

怒ってる時の涼介くんだ。

A「……拗ねてる笑」

荷物を置いて涼介くんの隣にペタンと座って
ほっぺをつんつんとつついた。

瞳だけくるりと私を見た涼介くん。

ん？と眉を上げると
また携帯の画面に視線を移す。

A「ごめんね？

ちょっと団体のお客さん入っちゃって。

これでも急いで帰ってきたんだけどなあ…

せっかく涼介くんお仕事夜ない日なのに、
ホントにごめんね。」

本気で怒っていたら、
涼介くんは逆にこんなわかりやすくはしてこない。

シーンと黙って、
元気がない素振りを見せるの。

でも、
可愛く口を尖らせてる様子じゃ、

きっと大丈夫笑

涼介「…………そうじゃなくてさあ…」

少し掠れた甘えるような声でやっと口を開いた涼介くんは、
携帯をプツッと閉じて私に向き直った。

涼介「……遅くなるんなら迎えに行くってこの前言ったのにさあ…

なんでLINEひとつくれないのさぁ……」

やっぱり、拗ねてる。

『さぁ』がたまに多くなる言い回しが、

ちょっと可愛くて、
ふふ、と笑ってしまうと、キッと睨んでくるから
ごめんごめん、と訂正した。

A「言ってもまだ11時だけどね？」

涼介「でも……Aは未成年なんだよ？

ちゃんと危機感持たないと。

今どき若いこ狙う変なやつ多いし」

私の手をぎゅっと握って
心配そうに見つめてくる。

A「……私もう子供じゃないもん」