山田くんはこっちを向かない。

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大貴「ほえー、

Aちゃんの苗字知らなかったから
薮くんと兄妹だとは想像もしてなかったなあ……」




宏太「俺も、

大ちゃんとAが知り合いだなんて知らなかったよ」





大貴「まあー、

この前知り合ったばっかなんだけどね？
あ、でも明日遊びに行くよね〜」





宏太「はっ、

まさかお前あんなに服散らかしてたのは
明日の……！」





大貴「えっ？！

なになにまさか俺のこと……」





A「もう！

違うよ二人じゃなくて他にもいるから友達！」









っていうか、
何この状況？







咄嗟に先輩の名前を呼んじゃって、
先輩が私に気づいて、



お兄ちゃんの部屋に無理矢理連れてこられて、今に至るんか……？







最悪だよ、
憧れの大貴先輩にこんな部屋着姿、すっぴん見られちゃってるよ私。



恥ずかしくて死にそう……









机の向かい側に座って
ケラケラ笑う大貴先輩。







明るくて話しやすいけど
なんだか先輩って私の想像していた人とは違う。









だって、この間保健室であった時、
彼女じゃない人と一緒にいたし、



私の事、可愛いって言ってくれたりするし、









意外と勉強できる？らしいし……



それが一番信じらんない。









A「お、お兄ちゃんほんとに先輩って頭いいの？」





宏太「ん？ああ、日本史だけね？」





大貴「うおい！だけとか言うなだけとか！」





A「ああ、お兄ちゃんがこの間日本史だけ点数良くなかったから？教えて貰いに？」





宏太「そそ、

ほんとただそれだけ笑」









なんだよ、
じゃあ放課後とかでいいじゃん！



わざわざ家まで来てもらう必要ないじゃん。









大貴「今そんなんなら来んなとか思ったっしょ？」





A「へっ」





大貴「俺、エスパーだからね、
目見りゃ分かっちゃうの」









へへっと鼻の下をこすって笑う大貴先輩に、
私もくすっと笑ってしまった。









ほんと、
そういう所が見かけによらずギャップがあるよね。

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