山田くんはこっちを向かない。

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涼介「なんか今日うるせえの多い…」






圭人「ふふ、ほんとだね」









目の前で、
有岡大貴と山田君が肩を組んでいるのが
ありえない。









私たちのグループの中では
最高に人気があるから。









A「え、知り合いなの？」






圭人「ふふ、大ちゃんさすが有名人だね！







大ちゃんは俺達の〜、
なんていうか。







んまあ、昔っからの知り合いだね」









岡本くんの手が
背の低い有岡先輩の上に乗った。









え、
先輩なのに『大ちゃん』？タメ口？









大貴「うぉい！



お前先輩に向かってなんってことを！」







涼介「ただのチビのバカだろうが」






大貴「おい山田お前自分を棚に上げて…」









有岡先輩とこんっなに仲が良いなんて。









仰天した私は、
すぐに自分のノートとペンをカバンからとり出した。









そしてそれを
深々とおじぎしながら先輩の前に差し出した。









A「ファンです……




みんなのためにもサインお願いします！」









涼介「っ……はあ？！」




圭人「えーーー……」




大貴「………ったくしゃーねえなあ！」









恥ずかしさから
顔をあげれずにいると、
私の手からノートとペンが消えた。









大貴「えっと………




名前は？」





A「あっ、えっと！」





涼介「おい、早く帰るぞ」









私の声にかぶせるように
山田くんが言った。









A「せ、せっかちだな待ちなよ！」







涼介「大ちゃんを調子に乗らせんなよ…」

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