実験体にされた天使【改訂版】 (ページ4)

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２話ページ4

エマside
母と慕う彼女は血の繋がった親ではない。
共に暮らす彼らは兄弟ではない。
ここ、グレイスフィールドは孤児院で
"私は孤児"
そう思ってた。
…そう思わされていた。

ぴったり６時、ハウスの朝は鐘の音で始まる。

エマ「みんな起きてー！朝ごはん、遅れるよー！」

ここでの暮らしも１０年。
気付けば最年長に。

エマ「ほっはよー！ノーマン、レイ、リリ。」

血は繋がっていないけれども私たちは本当の家族だと思っている。

ノーマン「おはよう、エマ。」

レイ「ほはよーエマ。」

『おはよう、エマ。』

朝の挨拶をするとみんな返してくれる。

ノーマン「元気だねぇ、まだ朝ごはん前なのに。」

レイ「お前、年いくつだ？５歳？」

エマ「みんなと同じ１１歳！レイの意地悪～！」

『そうだよ！女の子に年を聞いちゃいけないよ！…？それは女の子じゃなくて女性にか…あれ？』

((そっち？！))

リリはたまにクセが強いときがある。
でもみんな大好きだ。

ママ「ｸｽｯ、エマ、こっち手伝って。」

エマ「ママぁ…もっかい入り口からやり直す！」

ママ「どうして？私は好きよ、エマのそういうところ。」

『うんうん！私も好きだよ！』

エマ「中身が５歳のところ？！」

ママ「家族みーんなをとても大切に思っているところ。」

エマ「…ありがとう。」

大好きなママ、大好きなみんな。
血の繋がりは無くても大切な家族。
ハウスは私の家だった。

でも違った、何もかも。
ハウスを出ていった兄弟たちは里子になんか出されていなかった。
それは私がコニーが忘れた人形をノーマンと持っていこうとしたときに知った。
みんなは…みんなは…鬼に食べられていた。
私たちは鬼のために育てられた食用児。
食べられて終わるなんて絶対に嫌だ！
ここからなんとしてでも逃げてやる！
みんなで逃げるんだ！！