実験体にされた天使【改訂版】 (ページ2)

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０話ページ2

上流階級の鬼たちは会議を定期的に開く。
主に彼らの食事についてだ。

「そろそろ他のとは違う人間を食べてみたいものだ。」

美食家の鬼は他の人間をご所望のようだ。

「例えば？」

気になった興味津々の鬼は美食家の鬼に聞く。

「そうだな…人間の血肉を食らう人間はどうだろうか。いろんな人間の味が複雑に混じりあって美味しそうだとは思わないか？」

美食家の鬼は同意を求めた。

「"共食い"ということか？興味深い。きっと美味であろう。私も食べてみたい。」

「そうね～私も飽きちゃったし新しく人間を開発して欲しいわ！あ～早く食べてみたいわぁ。」

全会一致で"美味な人間"を開発することとなった。
鬼たちの欲望のために。

研究室ではある男が鬼からの依頼を承った。

「人間を食べる人間だって？！…鬼たちは恐ろしいことを考えるなぁ。作りたくねー。」

しかしながら鬼たちには逆らえない。
結局作るしかない。

研究者は１から細胞を作り人間の女の子の赤ん坊によく似た化け物を作り出した。
鬼の中では女の子の方がおいしいとする者もいる。

研究者は自身のしていることが非人道的なのは重々理解している。

「お前も可哀想だな…ごめん、ほんとにごめん…」

研究者は一粒の涙を溢す。
それは止まることなくボタボタと音をたてながら床に水溜まりのように溜まっていく。

「強く、生きてくれよ…」

後に赤ん坊はグレイスフィールドに連れていかれ、リリと名付けられた。
彼女の一体どんな人生を歩んでいくのかはまだ、誰も知らない。