《アイナナ・BL》流れ星に願いを込めて (ページ3)

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普段、クールでなんでもそつなくこなせる分いざ逆境にあたると弱い一織さんも混乱状態だ。

一織/陸「……！！(ﾊﾞｯ!!)」

『わっ！(ﾄﾞｻｯ…)』

一織/陸「ひく……っ、怖かっ……っ」

一織さんと陸さんは自分達を助けて気にかけてくれた少年を押し倒すように勢い良く抱き着いた。

少年の右脚には、一織さん、左脚には陸さんが乗って抱き着き子供のように泣いている。

『……そう……ですよね……？一織さん……、陸さん……、怖かったですよね……？ですがあの男性は居なくなったのでもう差し支えありませんよ……(ｷｭｯ…)』

一織/陸「う……っ」

少年は、一織さん達に応えるように抱きしめ返した。

一織「すみま……」

『いえ、気にしないで下さい。あちらの……、本物の……IDOLiSH7さんの一織さんと陸さんですか？そっくりさん……？』

一織「いえ、そっくりさんでは無く本物のIDOLiSH7、和泉一織と七瀬陸ですよ。私達の事知っていてくれたんですね」

『ええ、そちらは勿論ご存じですよ。私の大好きなアイドルグループの一つですから』

一織「！本当ですか？……あっ！すみません！(ﾊﾞｯ!!)」

一織(私……！ずっとこの人の膝に……！！)

一織さんは自分の行動に気付きすぐに少年から離れた。

一織「七瀬さん……？」

陸「はぁ……っ、はぁ……」

『……！！』

一織「！？七瀬さん！？」

陸さんは少年の膝に座りながら呼吸困難になっている。

(陸さんのこちらの呼気に伴う喘鳴(ぜいめい)や呼吸困難……まさか、呼吸器系の病気……？特異反応(その人特異なアレルギー反応)によって気管・気管支粘膜に慢性炎症を起こしている状態でこの炎症状態をできだけ軽くしておくことが治療上重要。現在は気管・気管支の筋肉が痙攣を起こして気管・気管支が細くなり、息が吐き難くなる状態……。大発作の重責では死に至ることも……)

『……！！』

(そのような事は絶対に不得意です！！)

『一織さん、お手数ですが陸さんの発作止めと吸入器はどちらにございますかご存じですか？』

一織「……！！」

一織(この人、まさかこの短時間で七瀬さんが抱えている病気が判明出来たというわけですか……？)

一織「七瀬さんの発作止めと吸入器でしたら多分ジャケットの右側ポケットに入っていると思います。今朝一緒に確認しましたので」