4.痛い。 ページ5
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「何してんだ、テメェ」
『……別に』
これが、私と彼との最初の会話。
もちろん、引っ越してきた隣人同士の挨拶的なやつには行ったが、彼は一言も話さなかった。
だから、これが最初。
「別に、じゃねぇだろ。んだこれ」
彼が掴んだのは、下駄箱に引っ付けられた紙。
“ブス”
“男好き”
“死ね”
最初はなんてこと無かった。
でも、心無い人達が書いた乱雑な文字は着実に私の心を侵食していった。
『なんかさ、私がクラスのボスの彼氏を取ったって話になってるの。おかしくない？私、クラスにまともに話せる人居ないのに。私の個性が強いから恨んでるみたい』
なんでもない様に、ヘラッと笑うと、彼は負けじと腹が立つ笑い方をした。
「んなわけねぇだろ。俺の方が強い」
やっぱりこの人とは合いそうにないな、と苦笑する。
「だから、テメェはひとりで抱え込んでんじゃねぇよ。弱ぇなら俺に護られてろ」
でもね、同じくらいに優しい人だなって思ったの。
私の髪と同じ真っ赤な瞳が、どうしようもなく温かくって、胸が苦しくなった。
「名前。テメェの名前」
彼は下駄箱に貼られていた髪を爆破してゴミ箱に捨てると、ボソッと呟いた。
『……ハハハッ！言ったじゃん、引っ越してきた時に』
「っせぇ！モブの名前なんか、いちいち覚えてられっか！！！」
『うわっ、ひっど。覚えてよ、一回でさ。緋龍。緋龍A。君は？』
「お前も覚えろや。爆豪勝己だ」
そう言って、君も笑った。
ねぇ、かっちゃん。
名前を聞いて、覚えようとしてくれたってことはさ、私は君にとっての名前ある存在になったのかな。
それが、“恋人”が良いだなんて最低な奴かな？
この頃から、私のなりたいものには先約がいた。
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なつめ(プロフ) - 湊真さん» コメントありがとうございます！うわぁぁぁぁぁぁぁ！嬉しいです！他作品もよろしくお願いします！ (2020年2月9日 10時) (
レス) id: dca3be50ef (このIDを非表示/違反報告)
なつめ(プロフ) - 爆豪推しさん» コメントありがとうございます！後日談、書いてみようかと思います！しばしお待ちください！ (2020年2月9日 10時) (レス) id: dca3be50ef (このIDを非表示/違反報告)
湊真(プロフ) - 久しぶりにＭＨＡ関連で号泣しました・・・！！お疲れさまでした！！ (2020年2月9日 9時) (レス) id: e706ac4195 (このIDを非表示/違反報告)
爆豪推し - とても面白かったです！！ その後の事が気になります！！ (2020年2月9日 8時) (レス) id: 21ba795355 (このIDを非表示/違反報告)
なつめ(プロフ) - 桜ひかりさん» コメントありがとうございます！頑張ってみます！！ (2020年2月8日 20時) (レス) id: dca3be50ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なつめ | 作成日時：2019年12月15日 17時
