48.痛い。 ページ49
.
放課後。
日直の声と共に訪れる。
麗日「Aちゃん」
顔を上げると、A組のみんなが集まっていた。
切島「俺らは邪魔しねぇからよ」
葉隠「ゆっくり爆豪くんに告白してきてね！」
『へ、なんでそれ知って……』
瀬呂「爆豪が今日は緋龍と二人で帰るって言ってた」
『かっちゃん……』
なんで言っちゃうのっていう気持ちと、二人で帰る約束を守ってくれて嬉しい気持ち。
どちらかと言うと後者の方が多い。
八百万「爆豪さんは日直のお仕事なのでもうすぐ教室に戻ってきますわ！」
緑谷「が、頑張ってね！」
蛙吹「応援してるわ」
飯田「さぁ、みんな早く教室から出るんだ！」
青山「幸運を祈ってるよ☆」
みんなはあっという間に居なくなり、気がつけば教室は静寂に包まれていた。
なんて言えばいいんだろう。
よくよく考えたら実乃里さんと別れてちょっとしか経ってないから迷惑かもしれない。
それでも……
みんなが応援してくれてるから。
「帰んぞ」
『……うん』
私たちは、帰り道を歩き始めた。
いつもは切島くんとかがいるから騒がしい帰り道も、今は町の雑音しか聞こえない。
歩く速度は、いつもよりも遅い。
かっちゃんもそれに合わせてくれている。
電車に乗って、改札を出て、また歩く。
あー、ダメだ。
こんなこと考えてたら家に着いちゃう。
どうしよう、どうしようと考えているとかっちゃんが立ち止まった。
「公園……寄るか」
『うん』
先に歩いていくかっちゃんの後ろを追いかけて、変に距離感のあるままベンチに座った。
『……かっちゃんはさ、ヒーローになる人なんだ』
からっぽになった私を、14歳だった君は見つけてくれた。
色んなものをくれた。
いつも、君だけをみていた。
強くて、カッコよくて、優しくて。
それでいて脆い。
乱暴なのにあったかい。
『私さ、ずっとね。隠してたことがあるの』
隠して、消そうとした。
もう二度と思い出せないように。
「なんだよ」
でもね、本当はさ
忘れたくなかったんだろうなぁ。
私は自分に甘いんだよ。
『この秘密を聞いても、傍にいてくれる？』
「……おう」
『居なくならない？』
「たりめーだろ。アホか」
うん。
いーよ、アホで。
.
.
『好きな人がいるんだ』
.
.
『今、目の前に』
.
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 870人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
なつめ(プロフ) - 湊真さん» コメントありがとうございます！うわぁぁぁぁぁぁぁ！嬉しいです！他作品もよろしくお願いします！ (2020年2月9日 10時) (
レス) id: dca3be50ef (このIDを非表示/違反報告)
なつめ(プロフ) - 爆豪推しさん» コメントありがとうございます！後日談、書いてみようかと思います！しばしお待ちください！ (2020年2月9日 10時) (レス) id: dca3be50ef (このIDを非表示/違反報告)
湊真(プロフ) - 久しぶりにＭＨＡ関連で号泣しました・・・！！お疲れさまでした！！ (2020年2月9日 9時) (レス) id: e706ac4195 (このIDを非表示/違反報告)
爆豪推し - とても面白かったです！！ その後の事が気になります！！ (2020年2月9日 8時) (レス) id: 21ba795355 (このIDを非表示/違反報告)
なつめ(プロフ) - 桜ひかりさん» コメントありがとうございます！頑張ってみます！！ (2020年2月8日 20時) (レス) id: dca3be50ef (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：なつめ | 作成日時：2019年12月15日 17時
