私 が 、し っ か り し な き ゃ 。【冨 岡 義 勇】

28.しっかり ページ29

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煉獄「よもや、自分から昏睡状態になりにいくなんて……」



悲鳴嶼「鬼舞辻無惨が呪いをかけ忘れた鬼……興味深いな」





皆口々に感想を言っていく。





宇髄「というかお前はいいのかこのままで。もうすぐ夜明けだ。派手に灰になっちまうぞ！！」



獏「知らねぇのか？この森は永遠に日が入らない森、常闇ノ森だ。鬼たちには格好の場所だったんだろうな。うじゃうじゃしてたから喰った」



善逸「喰った！？やっぱりコイツヤバいって！柱居るんだから首斬ってよ！！！」



伊之助「オッシャー！！俺に任せとけ！！」





叫んだり、猪突猛進！と言っている我妻と嘴平に拳骨が飛ぶ。





伊黒「聞いてなかったか、アホども。俺だって今すぐにコイツを噛み殺させてやりたいが、コイツが居なくては話にならない」





伊黒の言葉に騒いでいた二人も静まる。





獏「んで、忘れてたが俺はちなみに鬼も喰う。流石にいつも人里に降りて夢を喰うなんてのは難しいからな」





なるほど、とみんなは首を縦に動かす。





時透「ところで、獏はもうAさんの夢に行く力は溜まってるの？溜まってるならさっさと行きたいんだけど」





無一郎の生意気な言葉に獏は少し眉を顰めるが、再び緩りと笑って頷いた。





煉獄「俺が行こう。早くAに謝りたい」



宇髄「いや、俺が行く。俺の方が酷いことをした」



甘露寺「いえ、私が行くわ！！華歩ちゃんを怪しいと思いながらAちゃんを最後まで信じてあげなかった……」





柱達が俺が行く、私が行く、と争っている中に入っていかない者が二人いた。





炭治郎「しのぶさんと冨岡さんは入らないんですか？」





炭治郎の言葉に全員がこちらを向く。





胡蝶「……だって私、Aさんに最低なことを言ったんです。｢もう、二度と話しかけてこないでください」だなんて……合わせる顔がありません」





“合わせる顔がない”



胡蝶の言葉に全員が俯く。



苦しんでいるアイツに何をした？



何を言った？



俺は花咲の言葉を信じ、窶れていくAを見て見ぬ振りをした。



周りに流され、Aに酷いことを言った。



錆兎が生きていたらなんと言っただろう。



騙されずに、Aのことを信じていたに違いない。



ようやく見つけた居場所を踏みにじり、花咲の思うままになったせいで大切な隠に怪我をさせて、固く結ばれていたはずの家族の絆さえも俺たちは踏みにじったんだ。





「俺は……」





全員がこちらに耳を傾けた。





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