13.しっかり ページ14
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既に柱のみんなは来ていて、私に気づくと鋭く睨みつけた。
宇隨「派手にウザイぜ」
花咲「冨岡さん、怖いよぉ……」
花咲さんが義勇さんに抱きつくのと、私の心も締め付けられる。
私はみんなの言葉を無視して少し離れた所に座った。
私だって、
そこにいた時は、
あなたの隣に居られた時は、
にちか「お館様の御成です」
にちか様の声で我に帰り姿勢を正して跪いた。
お館様「よく来たね、私の可愛い子供たち」
やさしくて落ち着く、私の大好きな声。
不死川「お館様におかれましてもご壮健でなによりです。益々のご多幸を切にお祈り申し上げます」
うん、とお館様は微笑まれる。
お館様「見ない間に柱の間で何か起きたようだね?」
胡蝶「はい」
お館様の問いに一番早く口を開いたのは、しのぶさんだった。
胡蝶「半年程前に燦柱が花柱を罵倒し、先日は日輪刀で花柱が刺されるという事件がありました。愚見を申しますと、燦柱の階級剥奪を考えた方がよろしいかと」
煉獄「俺も同意だ!」
伊黒「俺もだ」
次々と同意の意見が浮かぶなか、未だに答えていないのは私と蜜璃さんと、義勇さんだけだった。
悲鳴嶼「甘露寺と冨岡はどうなんだ」
甘露寺「私は……私、は……」
蜜璃さんの声が段々と小さくなっていく。
『私は』
蜜璃さんの代わりに私が口を開く。
『したことはございません。柱になり、お館様に永遠を誓った時から私は嘘を一度もついたことはございません』
お館様「そうなんだね?」
お館様の問いかけに大きく、しっかりと頷く。
お館様「蜜璃」
甘露寺「私は、Aちゃんが華歩ちゃんを罵倒したところも、華歩ちゃんがAちゃんに刺されたところも見ていません」
ただ、と蜜璃さんは続ける。
甘露寺「こんなに多くの柱のみんなが言う以上、そちらを信じるしかございません」
『蜜璃さん……!!!』
蜜璃さんは俯いた。
お館様「義勇はどうなんだい?」
今まで黙っていた義勇さんに、視線が降り注ぐ。
義勇さんは、信じてくれる。
ずっと一緒にいたから分かってくれる。
だからね、私も義勇さんを信じてみようと思「俺も同意です」
花咲「ですよねぇ〜!!!」
憎悪
険悪感
汚い感情が、私を支配していく。
お館様「……分かった。A、後で私のところにおいで」
最悪な事態のまま、柱合会議は幕を閉じた。
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⊃あ゙さん。⊂ - 最高でした!!!面白かったです!他の作品も頑張ってくださいね!!! (2020年5月28日 23時) (レス) id: f0480ad40d (このIDを非表示/違反報告)
なつめ(プロフ) - 情報ちゃんさん» コメントありがとうございます!獏やっぱりカッコイイですよね〜!!獏めっちゃ人気高いです笑 (2020年2月29日 22時) (レス) id: dca3be50ef (このIDを非表示/違反報告)
情報ちゃん - 最初の顔がいいから冨岡さんが好きって言った悪役の子マジで許さん!実弥さんのがかっこいいやん!とか意味分からん事で怒ってました()とても神作ですよ!獏めっちゃいい奴で惚れた!主様の作品他のも読んでますが最高です!これかも応援してます、 (2020年2月27日 18時) (レス) id: 856e5af163 (このIDを非表示/違反報告)
なつめ(プロフ) - るなさん» コメントありがとうございます!獏はかっこよく書こう!と思って書きました。惚れますよね......./////これからも応援よろしくお願いします。ご愛読ありがとうございました!! (2020年2月22日 22時) (レス) id: dca3be50ef (このIDを非表示/違反報告)
るな - 完結したのしばらく気づかなくてみるの遅くなってしまったことがただただショックです…。ほんとに素敵な話でした。獏にほれそうです。ネタバレになるので内容どこまで書いていいのかわかんないのですが、かまぼこ隊の子達がいい子過ぎますね笑これからも応援してます! (2020年2月21日 15時) (レス) id: e3f988178b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なつめ | 作成日時:2019年10月22日 16時