私 が 、し っ か り し な き ゃ 。【冨 岡 義 勇】

10.しっかり ページ11

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みんなが居なくなってしばらくだった頃、私は下山を始めた。



どうして、みんな信じてくれないんだ。



私が悪いの？



鬼が憑依した花咲さんを倒そうとしたから？



頑張らなかったから？



努力しなかったから？





しっかりしなかったから？





もっと頑張れば、みんな信じてくれるはず。



もっと努力すれば、みんな分かってくれる。





もっとしっかりすれば、みんな褒めてくれる。





自分の屋敷に着く頃には、もう真っ暗だった。





『ただいま……』





力のない声で引戸を開けると、奥からドタドタという音がして、可愛い弟妹が顔を出した。





太陽「姉ちゃん、遅かったね」



陽葵「しんぱいだった！」



陽介「うー」





『そっか。迷惑かけてごめんね』





私は心配してくれた三人の頭を撫でる。





『んで、なんで炭治郎くんと善逸くんと伊之助くんがいるの？』





うげっバレた、という声を出して善逸くんが初めに顔を出して、伊之助くん、炭治郎くんの順番で玄関にやってくる。





太陽「俺が呼んだんだ」





太陽が私の手を握りながら言う。





炭治郎「実は、蝶屋敷からの稽古で戻る時に、たまたま太陽くんと陽葵ちゃんと陽介くんが外に向かっていくのが見えて、引き止めたんです」



善逸「そしたら、「姉ちゃんがいつまでも帰ってこない」って言ってて……確かに他の柱は帰ってきてるのに、Aちゃんだけ帰ってきてなくて」



伊之助「この俺様が子分共の面倒を見てやってたってわけだ！！！」





『いやぁ、迷惑かけてごめんね』





そう言うと、三人は一気に顔を顰める。





炭治郎「太陽くん、陽葵ちゃんと陽介くん連れて部屋行ってて。すぐ戻るから」





炭治郎くんが笑って言うと、太陽は心配そうな顔をしながらも自分たちの部屋に戻って行った。





炭治郎「Aさん、お話があります」





きっと、あの事だろう。



感の鋭い三人しか分からないことがあるはずだ。





私は、一番奥の部屋に三人を案内した。





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