私 が 、し っ か り し な き ゃ 。【冨 岡 義 勇】

43.しっかり ページ44

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また、あの山に向かった。



避けていたから花咲さんとは花咲さんが柱になったあの日以降は一言も会話をしていない。





やっぱり臭い_______________




今なら分かる。



この匂いは鬼舞辻無惨でもなんでもない。



鬼舞辻無惨の血を大量に貰った、あの花咲さんに取り憑いていた煌牙の臭いだ。



臭いが薄まったのはきっと、煌牙が花咲さんの体の中にいるから。



でもこの山にいるのは煌牙だけでは無い。



一体でも多く鬼が斬れるように、私は先を急いだ。







ようやく鬼の出現が途絶えてきた時に、小さな聞こえるか聞こえないかくらいの声で話している声が聞こえた。



出た。



今度こそ。



貴様らを地獄に送る。



許さない。



許さない！！





？「どうだ、順調に進んでるか？」



？「ええ。あなたの力のおかげで。アイツら簡単に騙されるのよ。バカだわぁ」





ほんの少しの、



ちょっとした好奇心が招いたあの日の出来事。



もう二度と、失敗はしない。



私は深呼吸をして草むらから様子を見た。








二本の角を生やしている鬼 _______________ 煌牙と、花咲さんがいた。







私は動き出そうとする体を必死で抑えた。



まだ。



まだだ。





花咲「あなたの血鬼術は最高よ、煌牙。あなたのお陰で力も、信頼も手に入れた」





この人は、鬼に惑わされている。



鬼に騙され、信頼や地位までも偽っている。





花咲「アイツ……陽溜が居なくなるのも時間の問題よ」





ほら、邪魔者は私。





花咲「冨岡さん、いつもアイツの話ばかりをする。あんなブスどこがいいのよ。あの子、妾の子でしょ？弟妹とも血が繋がっていない。私は金持ちの娘よ？絶対に私の方がいいに決まってる」





別に、妾の子だって関係ない。



愛がなくたって構わない。



今は、お館様が私を愛してくれている。



隠たちが尊敬してくれている。



弟妹が生きている。



それだけで、いいんだ。



だけど。





花咲「お館様っていうの？バッカよねぇ。鬼を倒す組を束ねてるのに鬼に取り憑かれた隊士も見破れないなんて」





ダメだと思った時には、もう遅かった。









『今度こそあなた達を倒します』










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