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どれくらい歩いただろう。
身体の傷がズキズキ痛む。
お構い無しに彼はどんどん先へ進んでいき、
振り返ることも無く角を曲がってしまった。
｢…あれ？｣
遠くで彼の声が聞こえる。
街の音も、風の音も、遠ざかっていく。
脈打つ心臓の音だけが、
脳の中で大きくこだましていた。
｢…やっぱ俺が怖かったんかな｣
まぁしゃなあいか、なんて声が
足音と共にまた遠ざかっていく。
その時、ぐらりと大きく視界が歪んだ。
｢え…？｣
物音に気が付いたのか、彼の足音が止まる。
私の身体がアスファルトに吸い込まれ、
意識もどんどん遠のいていく。
｢え、ちょ、｣
慌てて戻ってきた彼はあわあわと頭を抱えて
えっと、えっと、と同じ言葉を繰り返した。
｢…もしもし？神ちゃん、ちょっと手当の用意しといてくれへん？え？あ、俺じゃなくて、もう着くから、｣
電話を済ませた彼は私を軽々と背負い、
また夜道を歩き出した。
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檸檬(プロフ) - 赤色ジャスミンさん» コメントお寄せ頂き有難う御座います。是非、最後まで御付き合い下さいませ。 (2020年5月24日 16時) (
レス) id: 35918720d3 (このIDを非表示/違反報告)
赤色ジャスミン - 更新楽しみにしてます！！ (2020年5月24日 14時) (レス) id: def7596942 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：檸檬 | 作成日時：2020年5月22日 3時
