+ ページ8
.
先生をカーペットへ座らせて
小さなテーブルに珈琲を出す。
先生が大好きな珈琲。
私が珈琲になれたらいいのに。
当て付けみたいに、
珈琲と一緒にチョコレートを出した。
あのときの余った材料を、
ずっと捨てられずに冷蔵庫に入れていた。
｢丁寧にありがとうな｣
返事が思いつかなくて、黙って床に座った。
私は甘いミルクティー。
｢…その、学校来んくなったんてさ、俺の…せいやんな｣
『…先生のせいじゃないよ。…私が勝手に好きだっただけ』
｢でも、俺があんとき突き放してもうたから｣
『それでよかった。吹っ切れたつもり、』
先生の顔を見ると、泣きたくなってしまう。
『…だったのに』
｢すまん、どうしても謝りたくて｣
『私、先生の為ならなんだってできる』
｢…え？｣
『謝るなんて酷いこと言わないで。それなら、…私を好きになって…』
気が付けばボタボタと零れ落ちていた涙。
この一週間の間、一度も泣かなかったのに。
抑えきれなくなった感情が溢れ出した。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 80人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
檸檬(プロフ) - 紫音さん» コメントお寄せ頂き、有難う御座います。�霤沈萓犬呂�っと、一生何が正解だったのかを考えるのだと思います。少女はきっと、先生の中に存在し続ける為に、手紙を遺したのでしょうね。 (2020年5月12日 4時) (
レス) id: 35918720d3 (このIDを非表示/違反報告)
紫音(プロフ) - とても好きな作品です。この後の�霤沈萓犬�すごく気になります。 (2020年5月11日 11時) (レス) id: cddfa25021 (このIDを非表示/違反報告)
檸檬(プロフ) - 綾音さん» 最後までお読み頂き有難う御座います。そう言って頂けて本当に嬉しいです。是非、他の作品でもお待ちしております。 (2020年2月20日 18時) (レス) id: 35918720d3 (このIDを非表示/違反報告)
綾音(プロフ) - 最後にちょっぴりホロっと涙が来ました。素敵な作品です！ (2020年2月20日 0時) (レス) id: e120810d5e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：檸檬 | 作成日時：2020年2月13日 0時
