10.栗拾い ページ10
ようやく放課後になり、このまま寮に帰るのももったいなくて1人で植物園の中でぼーっとしてる。
ブランちゃんは同じ寮の人のセベクって人と部活見学に行った。
私も部活見学に誘われたけど、学園では部活には入る気は無くて申し訳なかったけど断った。
？「あれ？Aじゃん！」
A「え？」
声をかけられた方を見ると、トラッポラくんが居た。何してるんだろ？
エース「なぁ！お前、今暇？栗拾い手伝ってくんない？タルト作るのにいるんだよ！」
A「…拾うぐらいなら。」
エース「決まりだな！」
トラッポラくんに着いて行くと、スペードくんとも会ってユウくんとグリムくんにも会った。
学園裏の森に着くと、栗を拾い始める。早く拾って早く1人になりたい。
みんなは喋りながら拾ってるけど、私は1人で黙々と拾う。
ユウ「ごめんね、付き合わせて。」
A「いや、別に…。」
ユウ「…もしかしてなんだけど、アイヴァンスさんって男の人苦手？」
A「え…？」
ユウ「もう1人の女の子とずっと楽しそうに喋ってたけど、僕達と喋る時はビクビクしてるから…。」
そこまで見尽くされてたんだ…私は目を逸らして小さくうなずく。
A「幼い頃から男の人が苦手です。喋るのも苦痛に感じてて…直そうとは思ってますけど。」
エース「じゃあさ、試しに俺らとダチになる？」
A「え？」
私とユウくんの話を聞いてたらしいトラッポラくんが私の目線に合わせてしゃがみ込む。
エース「直そうと思ってるんだろ？なら、俺らが手伝う。それに、ダチになったら助けて欲しい時頼れるだろ？」
グリム「エース、お前良い事言ったんだゾ！」
デュース「確かに一理あるな。」
ユウ「僕もアイヴァンスさんと仲良くなりたいし、どうかな？」
嫌だったらすぐ口が「嫌だ」って動くはずだけど、「嫌だ」って口が動かなかった。
A「しばらく慣れないと思うけど、それでもいいなら…。」
エース「決定だな！」
トラッポラくん達を見ると、みんな嬉しそうに笑っていた。
エース「じゃあ、ダチになったからAにもタルト作り手伝ってもらうぜ！」
デュース「最初からそれが目的だったのか…。」
グリム「呆れるんだゾ。」
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作者名：紗玖葉 | 作成日時：2020年5月2日 7時
