17* Takanori side ページ17
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……結婚しよっか。
味気のない部屋でする事になってしまったプロポーズ。
結局は忙しくて、高級ホテルなんて予約が取れなかった。
薄れいく彼女の意識に深く刻まれるように、繋がったまま深く口付けて銀の糸を引いたまま呟いた。
「 ごめんな、苦しい思いさせて、、これからもさ。きっと傷つける……。
そんな俺でもいいんだよな……?
だからさ、これからも傷つけあって生きていこうか。」
『 …うん。 』
小さく、か細く。
意識を手放す瞬間に彼女は小さく頷いた。
もうずっと、離さない。
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( you side )
「 海外に行ってくれないか。」
剛典と入籍してすぐ、仕事の都合で海外に赴任になってしまった。
「 新婚早々、申し訳ないんだが… 」
『 大丈夫です……。』
いいタイミングかもしれない。
2016年まで、帰ってくることは出来ない。と社長は言った。
2年。
剛典には本当に、申し訳ないと思う。
『 剛典、私ね。海外に行くの。』
本当にいいタイミングなの。
広臣くんと終止符を打つには。絶好のタイミング。
これ以上にないほどに、傷つけあって愛し合った。
これで、やっと忘れられる。
「 そっか、、、待ってるよ。」
剛典だって、こう言ってくれてる。
だから、“ 人妻 ” というレッテルを貼って、海外に行ってやる。
『 ありがとう…、剛典っ…!
愛してる…。』
「 うん…。おれも。」
剛典の薄い唇に私の唇をぶつけた。
私は、悪女になるわ。
貴方のために、私のために、彼のために。
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作者名:レオナ | 作成日時:2017年4月1日 16時