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腰の辺りから脳天に一気に駆け抜ける快楽。
この行為に、Aがどれ程の孤独を抱えていたなんて、つゆ知らず、俺はお互い果てたあと、意識を手放したAを抱き締めて目を閉じた。
「 激しくしすぎたなぁ。
ゆっくり、休み?…愛してるで。」
あー、オレって相当キモイかもな。
“ 愛してる ” って。
うわー、虫唾が走ったわ。
静かに繋がれたままの手がぎゅっと握り返されたのに幸せを感じつつ、おれの意識は微睡みに堕ちていった。
2011年、5月24日。
Aが姿を消した。
ペアリングはそのままに。
一切れの紙と、そのままの生活感を残してがらんとした空き箱の様に軽いAの居ない部屋。
食器は洗われとって、ハンガーにはAのMA-1がそのまま吊るされとる。
二つ並んだ歯ブラシもそのままに。
何年、一緒に居ったんやろうな。
高校2年の時やから……9年も一緒に居ったんか。
そのせいなんかな、この…どうしようもない喪失感は。心を生殺しにされた様な気がする。
「 っ……。」
柄にもなく、涙が零れて止まらなくなった。
健二郎。ってAに呼ばれる度に、どうしようもなく切なくなっとんねん。
お前に、名前を呼ばれる瞬間。結構好きやってん。
何が悪かったのか。
ようわからん、わからんよ。
だから、離れていってもうたのかもな。
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y3gunluv(プロフ) - 私も大好きな作品です(о´∀`о)更新楽しみにしてます☆ (2017年8月13日 12時) (レス) id: 57312c59c3 (このIDを非表示/違反報告)
まきのこ(プロフ) - すごく胸が熱くなって、感動しました!泣いちゃいました!これからからも応援しています!頑張ってください! (2017年7月14日 2時) (レス) id: 2e301af00f (このIDを非表示/違反報告)
レオナ(プロフ) - hiromiさん» 中々、思うようには書けてないの笑。勿体無くなんてない!hiromiさんのコメントでどれだけ今後の作品制作の励みになったことか……!(//∇//) (2017年6月3日 23時) (レス) id: 1e5c4cc75a (このIDを非表示/違反報告)
hiromi(プロフ) - 最近忙しくてなかなか来れずにごめんね(*/ω\*)私なんかのコメントで泣いちゃダメよー!勿体無いから( ´艸`)(笑)ジロちゃん、忍耐力無さ過ぎー♪でもそんなとこも好き(笑)(*/∀\*) (2017年5月17日 8時) (レス) id: ebaa49336d (このIDを非表示/違反報告)
レオナ(プロフ) - hiromiさん» わぁ!早速読んでくださってありがとうございます(≧∀≦)hiromiさんがコメントしてくださって、嬉しくて本当に泣いてしまいました笑!! (2017年5月11日 22時) (レス) id: 1e5c4cc75a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:レオナ | 作成日時:2017年5月7日 23時