Ｐａｉｒｉｎｇ

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夢を見ていた。オレの過去の夢を。
遮光カーテンから覗く朝の日差しが鬱陶しい。




……なんで、俺は泣いとるんやろ。





まじ、柄にもないよな。泣くとか…。
ほんっと、情けない。






誕生日の翌日は生憎の大雨だった。
もうそろ、雷が鳴り響きそうなくらいデッカい暗雲。





「 まじ、憂鬱やわぁ〜。」





何ヶ月か前にコンビニで買ったビニール傘を傘立てから引っ張り出して、マンションのエントランスまで引き摺ってく。







「 ……これ、傘も壊れるやろ。」






マネージャーに指定された待ち合わせ場所まで、強風、横殴りの雨のなか小走りで、徒歩五分近くの待ち合わせ場所まで走った。







そういや、A言っとったな。雨の日が嫌いなオレと違って、Aは雨の日が好きや言っとった。






「 なんかね、洗われてる感じしない？ 」






なんて、悪戯っぽい笑みを浮かべて言っとったな。







…会いたい。







ただ、これだけやから。
もう、ずっと一緒に居れなくていい。一度、会って話がしたい。






高望みなんてしない。







いや、会いたいってこと自体が………高望みか。







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