私の隣の王子様 その2【竈門炭治郎】

48.ピアス ページ2

『ふふー、極楽ー。』
「そうかそうか。」



流れるプールで、浮き輪で泳いでる(流されている？)真っ最中です。
竈門さんは私の隣で同じく浮き輪で泳いでいる。
濡れた髪の毛をかき上げているので、妙に色っぽい。
あっ。



『さすがにプールではピアス外すんですね。
いつも着けてるから、今も着けているのかと。』
「ああ、さすがにな。
危ないだろうし。」
『…開けた時って痛くなかったんですか？』



蜜璃もピアスを開けているし、周りも結構開けている子がいるので少しばかり憧れている。
でも、痛いのは嫌なので、手が出せずに時だけが流れていっている。



「いや、全然痛くないぞ。
本当にすこーーしチクッとするぐらい。」
『それ、みんな言うんですよね…。
開けたいんですけど…。』



耳たぶをふにふにと触りながら、蜜璃と買い物に行った時に見たピアスを思い出した。
金色のシンプルなピアス。
あのイヤリングがあったら買っていたが、残念ながらなかった。



「俺が開けてあげようか？
何人か開けたことあるし、実績はあるぞ！」



竈門さんはドン、と拳で胸を叩き、自身の現れを見せた。
きっと、これを逃してしまったら、開けないまま大学生活を終えてしまいそうだ。



『じゃあ、近いうちにお願いしていいですか？』
「任せてくれ。
じゃあ、ピアッサーを買って帰ろう。
部屋で開けてあげるぞ。」



屈託のない笑顔でそう言ったが、私の頭の中にはとある言葉が浮かんだ。



今日！？
しかも竈門さんの部屋でですか！？

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