82. 滲む景色 ページ37
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炭治郎の意識が戻ったと聞いたのは、任務が終わった時だった。
こんなにも速く、走ったことはないだろう。
早く、早く炭治郎に会いたい。
『炭治郎…!』
病室に入ると、善逸くんも伊之助くんもおらず、炭治郎だけがベッドにいた。
窓からは朝日が差し込んでいて、炭治郎の笑顔と同じくらいキラキラとしていた。
「A。」
いつもみたいに優しい声で名前を呼んでくれた。
たったそれだけで、目の前の景色が滲んだ。
頬に温かいものが伝い、拭っても拭っても溢れ出てくる。
『っ…よかっ…た…。
意識が戻らなかったら、どうしようかと…。』
「ごめん。」
『上弦の鬼を倒したのはすごいけど、炭治郎まで死んじゃうかと思った…。』
「ごめん。」
『私より先に死ぬの、許さないから。』
「それは、俺も同じだ。
俺より先に死ぬの、許さないぞ。」
どっちからともなく笑い声が漏れた。
炭治郎のベッドの脇にある椅子に腰かけ、袖で目をゴシゴシと拭いた。
「A。」
『ん?』
「話が、あるんだ。」
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シルバーウルフ - 朔夜さん、、私と合作しませんか!?(?_?) (2021年1月5日 16時) (レス) id: 769a4deb70 (このIDを非表示/違反報告)
シルバーウルフ - (///ω///)(///ω///)はぁと。 (2021年1月5日 16時) (レス) id: 769a4deb70 (このIDを非表示/違反報告)
朔夜(プロフ) - かぼさん» 土日に会えるの、待ってるで…(はぁと (2021年1月4日 23時) (レス) id: eb37705ec2 (このIDを非表示/違反報告)
かぼ(プロフ) - 完結おめでとう!そして実弥ちゃんの現パロですって?!今日から仕事始めやからまた停滞してますワタクシ( ;∀;) (2021年1月4日 22時) (レス) id: abbc87cbf8 (このIDを非表示/違反報告)
朔夜(プロフ) - 日乃さん» 愛されてるから頑張る(ぶちゅ (2021年1月4日 16時) (レス) id: eb37705ec2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朔夜 | 作成日時:2020年12月31日 19時