幼なじみにいきなり求婚されたのですが。その2【竈門炭治郎】

75. 苦しい ページ30

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中庭に、行かなければよかった。



「俺より機敏だもんなぁ。」

「そんなことないよ。」



あの子は確か…しのぶちゃんの継子のカナヲちゃん。

そのカナヲちゃんと炭治郎が、縁側に座って楽しそうに話していた。
たったそれだけなのに、胸がざわついた。



私のことは避けているくせに…。



ああ、吐き気がする。
胸が痛い、苦しい。



「いいや、本当にすごいぞ！」



炭治郎は、カナヲちゃんの頭に手をぽんっと置いた。



____そんなことをしてくれる相手は、私だけだと思った。



目の前がぐらり…と揺れる。
視界が定まらない。
息が乱れる。

苦しい。



「あ、鳴柱様。」



カナヲちゃんの声でハッと我に返った。

彼女がこちらを見る。
それから、炭治郎がこちらを見た。

目が、合ってしまった。






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