幼なじみが落とそうとしてくる。その2【五条悟】

53. 初めて 〜悟side〜 ページ9

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『俺の噂してくれてんの？』



ニッコニコと作り笑顔を浮かべ、教室の中に入る。
2人は俺の姿を見て、時が止まったかのようにピタッと停止していた。

2人の近くにある机に腰掛け、睨みつけるように見下ろす。



『俺の話なんだから、俺も入れてよ。』

「えっと…。」



目をキョロキョロと泳がしている先輩の顔を見て、やっと誰か分かった。
美人と言われている菊池先輩だ。



……まぁ、確かに綺麗だとは思うけど。
Aの方が何倍も、何百倍も、何千倍も綺麗だし、何よりかわいい。



『何？
言えねぇの？』

「っ……。」

『Aの悪口だもんなぁ？
言えるわけねぇよなぁ？』



軽蔑の眼差しを向け、近くにあった机を蹴り上げる。
机は大きな音を立てて倒れ、2人はビクッと体を震わせていた。



『オマエら、俺の何？
近寄んなとか、水ぶっかけたって何？』



自分でも驚くぐらい、低くて冷たくて恐ろしい声が出た。

こんなにキレたのは久しぶり……いや、初めてかもしれない。



「だって…！
五条くんを独り占めしてんのずるいし！
ドリームランド行ったんでしょ！？
それに、手まで繋いでさ！！
昨日も一緒に帰ってさ！！」



菊池先輩はヒートアップし、言葉を発する度に涙が溢れていた。
この絵面だけ見ると、まるで俺が加害者で、コイツが被害者だ。

マジでだるい。



はぁっ、とわざとらしく大きなため息をつき、そこに舌打ちのサービス。






『全部俺から誘ったんだけど。
俺、アイツのこと好きだからな。』






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