幼なじみが落とそうとしてくる。その2【五条悟】

85. 持ってかれた ページ41

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「よりによって五条かよ。」



抑揚のない、だが、不平不満が込められた口調だった。
私と悟に、蛇のように細く、鋭い目つきを向けた。



「そいつ、顔だけだから。
何人もフラれてんの見てるし、誰にも本気にならないって噂だし。
A、遊ばれてんじゃねーの？」



骨に食い込むような非難の声。
私に言われているわけではないのに、ギシギシと軋む。



私も、悟にフラれた子を何人も見てきた。
誰か特定の子に誠実になっている姿も見たことがない。
でも、それは、私のことをずっと好きでいてくれたからだろう。



やり場のない苛立ちに、頭の芯がチリチリと音を立てる。

何か言わないと。
そう思い、口を開いた。



「おーおー、好きに言っとけ。
Aは一生誰にもやらねぇわ。
これからずっと、俺が隣にいるから。」






一瞬で、意識も何もかも、全部持ってかれた。






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