82. 痴話喧嘩 ページ38
.
「…誰?」
硝子がコソッと耳打ちをしてきた。
巾着の紐をギュッと握りしめ、『元カレ…。』と、小さな小さな声で呟いた。
硝子は、私が別れた理由を知ってくれている。
だから、目が怒りの色を表していた。
「久しぶりにさ、ちょっと話さない?
積もった話もあるし。」
「は?
話すことなんて、何もないんだけど?」
硝子は、私と拓磨の間に割って入ってきた。
獲物を狙う動物のように、琢磨のことを睨みつけている。
その様子を見て、拓馬は色々と察したようだ。
「あー…知ってんだ、俺たちのこと。」
ワックスで整えられた髪を崩さないように、人差し指でポリポリと頭を掻く。
「黙れよ、浮気野郎。」
『し、硝子…!』
慌てて硝子の腕を引いた。
なぜなら、近くにいた人たちが「痴話喧嘩?」とざわざわし始めたからだ。
『……ごめん、5分だけ待っててくれる?
すぐに帰ってくるから。』
心にどしんと、重たいものが被さったように重苦しい気分だ。
でも、これが一番、この空気を収める方法だった。
…硝子の顔が歪む。
「……分かった。
何かあったら、すぐに連絡してよ。」
声に棘が含まれていた。
ごめんね。
.
1456人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
眠民。 - 最高でしたー!!続編飛んでいきますね!! (12月3日 19時) (レス) @page47 id: 03ba19f866 (このIDを非表示/違反報告)
朔夜(プロフ) - 棗さん» そうそう、激甘にはしたいと思ってるので(はぁと もっとギュンギュンさせちゃうーーー!!笑 (2021年3月29日 9時) (レス) id: eb37705ec2 (このIDを非表示/違反報告)
朔夜(プロフ) - 春田ぽこ@新垢さん» 天才だなんて/// うん、楽しみに待っててください\(^o^)/ (2021年3月29日 9時) (レス) id: eb37705ec2 (このIDを非表示/違反報告)
朔夜(プロフ) - そよかさん» うふふふ(はぁと どんな展開になるかはお楽しみに(ぶちゅ (2021年3月29日 9時) (レス) id: eb37705ec2 (このIDを非表示/違反報告)
朔夜(プロフ) - ぬまぬまさん» 密かじゃなくていいんですよ(はぁと (2021年3月29日 9時) (レス) id: eb37705ec2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:朔夜 | 作成日時:2021年3月17日 21時