幼なじみが落とそうとしてくる。その2【五条悟】

65. ただの幼なじみ ページ21

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ドクンッ…



『違う。』



ふるふると首を横に張りながら、視線を逸らした。



心臓が嫌な音を立て始め、思わず制服の上から胸の辺りを掴む。



『そんなわけないよ。』



そう、そんなわけない。
だって、悟と私は____…



『ただの幼なじみなんだから。』



今、悟の熱っぽい目を見たら、どうなってしまうか分からない。
顔が見られない。
確かめるのが怖い。








「ざーんねん。」



怖がっている私を安心させるような、飄々した声。
悟は私から手を放し、そのまま自分の頭の上に両手を重ねた。



「てっきり、俺のこと好きなんじゃないかって自惚れたわ。
恥ずかしー。」



ケラケラと笑いながら、私に背中を向けて行ってしまった。
私は何も言えず、その場に立ち尽くしていた。






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