85. 嘘つき ページ41
.
『っ…出て行ってくださいよ…！』
グッと厚い胸板を押すが、ビクともしない。
そんな必死の私を無視し、竈門先輩の大きな手が私の頭を撫でた。
「寝癖もかわいいなぁ…。」
いや…私の話聞いてますか？
そんなうっとりとした顔…はい、聞いてないですね。
というか、私、すっぴんなんですけども。
しかもパジャマなんですよ。
「すっぴんもパジャマも、全部かわいい。」
こういうことをサラッと言って、恥ずかしくないのだろうか。
言われているこっちが恥ずかしい…。
恥ずかしさのあまり顔を見れず、胸板を押したまま俯いた。
「体調は大丈夫か？」
『もう、最悪です…。』
「んー…そうか。」
抑揚のない声でそう言うと、袋を持っていない方の手を腰に回してきた。
そして、耳元に顔を近付けてきた。
「嘘つき。
本当は元気なくせに。」
艶を含んだ低くて甘い声が身体中に響いた。
思わずゾクッとしてしまい、その震えが竈門先輩の腕にも伝わったであろう。
『なっ、なっ…ちがっ…！』
鯉のように口をパクパクしながら否定するが、言葉が続かない。
嘘がバレたことに加え、耳元が熱くてたまらないからだ。
「本当に体調が悪い人からは、重くて暗い匂いがするんだ。
でも、Aちゃんからはいつも通りのいい匂いしかしないぞ？
それに、嘘の匂いがする。
俺を騙すなんて、100年早いなぁ。」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1412人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
琴音 - めちゃくちゃ、キュンキュンしました！ありがとうございました🙇 (2022年4月9日 17時) (
レス) id: 65eb06c570 (このIDを非表示/違反報告)
あゆあゆ - 私も映画見ました！れんごくさんのお土産全然なくて困りました…結局、カナヲのペンポを買いましたWW (2020年11月14日 20時) (レス) id: c95bd3ae03 (このIDを非表示/違反報告)
ゆのん(プロフ) - 朔夜さん» ｳﾝｳﾝ(・∀・)！もともと、関西人やねん！なんか、懐かしいわ。 (2020年11月2日 16時) (レス) id: 441fd39974 (このIDを非表示/違反報告)
朔夜(プロフ) - かぼさん» 長男やから攻めるで！（え？ (2020年11月1日 22時) (レス) id: eb37705ec2 (このIDを非表示/違反報告)
朔夜(プロフ) - 浅葱さん» お待たせやで（はぁと (2020年11月1日 22時) (レス) id: eb37705ec2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：朔夜 | 作成日時：2020年10月23日 21時
