一途にも程があるその3【時透無一郎】 (ページ5)

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95.大好きページ5

もう、ほんと無理無理！
キャパオーバー！！
飽和状態！！

ドンッ！と胸を押すと、やっと唇が離れた。
頭がクラクラとする。

『ねっ…もうダメだって…！』

「かわいいAが悪いよ。」

そんなの知らないし、こんなことしてくる無一郎が悪い。
嫌ではないけど、今の私には刺激が強すぎる。

「A…。」

何ともあまーーい声で私の名前を呼んできた。
うん、ずるい。
逆らえなくなるでしょうが。

『これ以上したら怒るから…。』

真上にいる無一郎のことを睨みつけると、彼は一気に脱力し、私の上に倒れた。
全体重を乗せてきているので重い。

「ごめんー…。
変なことはしないって言ってたのに、Aがかわいすぎてつい。
Aの心の準備ができるまで、俺待つから…。
ほんとごめんね。」

自分の頬を私の頬にすりすりとしてきた。
くぅっ…甘えられたら母性本能が…！！
でも、あの女遊びの激しかった無一郎が、ちゃんと私の気持ちを考えてくれている。
この人、ほんと私のこと…___

「…心臓うるさいね。
ドキドキしてる？」

言われなくてもドキドキしています。
少し体を起こした無一郎は、私の背中に腕を回して起こしてくれた。
そして、彼の腕の中にすっぽりと収まった。

「ちゃんと大切にするから。
大好きだよ、A。」

きゅきゅきゅきゅーーーーーん！！

『わ…私も好きです。』

「え…急に言ってくれるなんて…！
明日、大雨かな？」

『……。』

「あっ、ごめん…。」

＂好き＂って伝えるのは恥ずかしくて仕方がないことだと思っていた。
でも、本当に好きなら、自然と口から出てしまうことを初めて知った。

無一郎、私も大好きだよ。