62.あっぶない 〜無一郎side〜 ページ16
シャリッ…シャリッ…
キッチンには、りんごを剥く音しか聞こえない。
それを剥いている俺は、煩悩と戦っていた。
____あっぶない!
もう少しでAのこと襲うところだった!
だって、昨日からかわいすぎるんだもん。
振り解かれることを予想して手を繋いだのに、ただ黙ってついてきてくれて…。
お化け屋敷で繋いだ時もそうだけど、Aの手は小さくて、柔らかくて、温かくて…。
今日も、熱のせいで色っぽいっていうのもあると思うんだけど、下唇を噛んで恥ずかしさに耐えているAは……本当にやばかった。
理性が残っててよかった。
「無一郎…?」
ビクゥッと体が跳ね、その勢いで振り向いた。
そこには、キッチンの壁に手を添えて体を支えているAがいた。
「さっきから何回か声かけたんだけど、返事ないから…。」
『あ…ごめん。
りんご剥くのに集中してた。』
「はは、何それ。」
口元に手を当てて笑ったAがかわいくてかわいくて。
…じゃなくて…!
『寝てないとダメでしょ。
どうしたの?』
「ポカリ飲みに来たの。」
Aはそう言うと、食器棚からコップを取り出した。
あのね、A。
俺、今、煩悩と戦ってるんだけど?
熱で弱ってるんだから、抵抗されても無駄なんだよ?
だからさ、早くベッドに戻ってくれないかな?
「俺が持って行くから寝ておいて。」
冷蔵庫を開けようとしていたAは手を止め、俺の方を見た。
『え、いいよ。』
「ダメ。」
『……分かった。
お願いします。』
Aはそろそろとベッドに戻った。
______あっぶなかった!!
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優衣 - 無一郎がかっこよくてずっと心臓がドキドキしっぱなしでした♥️ (5月8日 10時) (レス) id: 95d1cd5894 (このIDを非表示/違反報告)
朔夜(プロフ) - 竈門夜蝶さん» 仲間!!高いけど可愛いんよ!貢いでまう…。時計もかわいいやろー?\(^o^)/ (2020年7月22日 22時) (レス) id: eb37705ec2 (このIDを非表示/違反報告)
朔夜(プロフ) - かすみんさん» もっと舞い上がらせるぜ!! (2020年7月22日 22時) (レス) id: eb37705ec2 (このIDを非表示/違反報告)
朔夜(プロフ) - むいくん推しさん» やっとやで!お待たせしました!!続編がんばる(ちゅ (2020年7月22日 22時) (レス) id: eb37705ec2 (このIDを非表示/違反報告)
朔夜(プロフ) - マナフィさん» ありがとうございますぅ!!好き!!(ぶちゅ (2020年7月22日 22時) (レス) id: eb37705ec2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朔夜 | 作成日時:2020年7月12日 20時