一途にも程がある【時透無一郎】

36.苦手なもの ページ37

おかしい。
私の記憶が正しければ、遊園地は楽しいもので___



「あの2人、本当に仲いいね。」

『ははは…。』



決して、変に疲れるものじゃなかったはず。



本当はカナヲと楽しく過ごすはずだったのに、炭治郎にもはめられてしまった。
自然と2人が一緒にいることになるので(多分わざと…)、私と無一郎が一緒にいるはめになる。



でも、カナヲと炭治郎が良かれと思ってしてくれたことだから、空気を悪くしちゃいけない。
ここは私が折れるしかない…。
ううっ…。



ふと顔を上げると、この遊園地のメインアトラクションでもあるジェットコースターが見えた。
すっごい昇るし、すっごい落ちる。
見ているだけでワクワクしてしまう。(ワクワクランドにはめられた？)



『ねっ、ジェットコースター乗ろ！』


____________


あれ？
あれれ？
あれれれれれ？



『普通に楽しんでる…。』

「ん？
どうしたの？」



独り言を言った私を、無一郎が首を傾げて覗き込んできた。



そう、普通に楽しんでしまっている。
これがワクワクランドマジックなのか！？



「お化け屋敷行こう。」



私たちの前を歩く炭治郎がお化け屋敷を指した。
学校をテーマにしたお化け屋敷で、テレビにも何度も取り上げられたことがあるぐらい有名だ。
なぜかというと、距離が日本一長いからだ。
あと、怖すぎる。
機械が驚かすのではなく、人間が驚かすのだ。



私には苦手なものが2つある。
1つ目は虫。
日本語が通じないから。
2つ目はビックリ系。
心臓に悪いから。



つまり、このお化け屋敷は大の苦手である。
本当は入りたくないけど、カナヲと炭治郎の気遣いが…。



「じゃあ、俺たちは先に行くな。」



うーんうーんと悩んでいる間に、カナヲと炭治郎は先に入ってしまった。
…ということは…。



「怖かったらしがみついていいからね。」



ニコニコと微笑んで距離を詰めてきた無一郎と入ることになってしまった…。

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