一途にも程がある【時透無一郎】

11.ピンポーン ページ12

カナヲA、大丈夫?
誕生日のお祝いは、元気になってからしようね^^



カナヲの優しさにじーんとなり、寝返りを打った。
寝返りを打つと頭が揺れ、ぐわんぐわんとなる。



まさか、無一郎が私のことをずっと好きだなんて思いもしなかった。
そんな素振り見せたことなかったし…。
というか、私のどこがいいのだろうか。
無一郎の周りにいる子の方がかわいいのに…。



熱のせいか、考えなくてもいいことを考えてしまう。
部屋の静けさも相まってだろう。
そして、寂しい…。
一人暮らしで熱が出て寝込んじゃうと、頼れる人が近くにいないからだ。



『はぁ…。』



大きなため息をし、目を閉じた。
とにかく寝よう。


____________

ピンポーン…



夢現の中、インターホンが鳴った気がした。
本当に鳴ったとしても出られない。



ピンポーン…



あ、やっぱり夢じゃない。
でも、体がだるくて出られないって…。



ピンポーン…



だから、熱があるんですって…！



ピンポーン…



『ああ、もう！』



重りを付けられてしまったぐらいに重い体を無理やり起こし、フラフラになりながらインターホンに向かった。
これで勧誘とかなら怒ってやろう。



『はい。』

「あ、やっと出てくれた。」

『え…無一郎…？』



インターホンに映し出されたのは無一郎だった。
授業なのに、何でここにいるのだろうか。

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