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146.ズキズキ ページ10

「Aー。
ご飯作るの手伝ってー。」
『分かったー。』



ソファーから立ち上がり、キッチンに入る。
私が実家に帰ってきて初の夜ご飯ということで、私の大好きなハンバーグだ。
結局、お母さんのハンバーグが一番おいしい。



有言実行とは言わないと思うが、クリスマスの翌日に実家に帰ってきた。
昨日からずっとスマホの電源は切ったままだ。



「また連絡する。」



炭治郎から着信があってもなくても、それを見たくなくて、彼が何を言うのか分からなくて怖い。



「いい人できた?」
『へっ!?』



私の反応を見て、お母さんはクスクスと笑った。



「その反応、いるのね。
母親なんだからお見通しよー。」
『うん、まぁ…ね。』



へラッと笑い、玉ねぎをみじん切りにしていく。



「写真見せなさい。」
『えっ、写真?』
「あるでしょ?
娘の彼氏だもん、見たいわよー!」



お母さんはニコニコと微笑みながら、「はい。」と手を差し出してきた。
つまり、スマホを見せろってことだ。



『えっと…見せなきゃ駄目?』
「うん、駄目。」



スマホの電源を入れなければならない。
でも、お母さんの圧には勝てない。
私はため息をついて手を洗い、パンツのポケットからスマホを取り出した。
1日ぶりに電源を入れると、炭治郎からの不在着信とLINEが何件も来ていた。
ズキッ…と心が痛んだが、それらの通知を消し、アルバムを開く。
炭治郎との写真がたくさん出てきた。
全部、楽しかった思い出だ。
今はただただ…。



『はい、この人だよ。』



お母さんに見せたのは、付き合う前にラウンジで撮った写真。
付き合ってからのは何となく嫌だった。



「うわぁ!
すっごいイケメンじゃない!!
…騙されてない?」
『失礼なっ!
騙されてないよ。』
「しかも、優しい雰囲気が出ているわね。
Aにもったいないわぁ。
はぁ…かっこいい…。」



お母さんはうっとりと写真を見た。
でもね、お母さん。
私たち、今、喧嘩しているんだ。



「幸せにしてもらうのよ。」
『うん、そうだね。』



心がズキズキと痛む…。

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設定タグ:鬼滅の刃 , 竈門炭治郎 , とんでもねぇ   
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ともりん - ここでも言わせてください!!とーんーでもねー炭治郎だ!!!(((すいません (2020年8月7日 22時) (レス) id: 66f9aed7aa (このIDを非表示/違反報告)
鬼滅の刃大好き - 続編もとってもおもしろかったです!あぁ、現実にいてほしいっっ!(笑)これからも頑張って下さい! (2020年7月3日 23時) (レス) id: 7db63c5bfe (このIDを非表示/違反報告)
莉子(プロフ) - 続編読みました!面白かったです。これからもファイトです!! (2020年6月3日 20時) (レス) id: 1d8abed5fa (このIDを非表示/違反報告)
朔夜(プロフ) - 竈門夜蝶さん» 熱いキスやで(ぶっちゅうううう (2020年6月3日 20時) (レス) id: eb37705ec2 (このIDを非表示/違反報告)
朔夜(プロフ) - 如月 哀華さん» いええええええええいいいいいい!!! (2020年6月3日 20時) (レス) id: eb37705ec2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:朔夜 | 作成日時:2020年5月29日 21時

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