157.私の意地 ページ21
クリスマスの日から悲しかったり、悩んだり、毎日ずっと苦しかったのに…。
「はい、ココア。」
『あり…がと。』
炭治郎がすごく優しい。
いや、元々優しいんだけど…。
久しぶりでそう感じてしまうのだろうか。
「こっちおいで。」
ソファーに先に座った炭治郎は、自分の隣をぽんぽんとした。
でも、私は隣に座らずに、床に座ってソファーを背もたれにした。
久しぶりに炭治郎を近くに感じられて、嬉しくてはしゃぎたい…。
でも、今は多分、私のご機嫌とりでやっているところもあって、それにまんまと喜んじゃうのって負けな気がする。
何の勝負かは知らないけど、これは私の意地だ。
「…ココア、熱くないか?」
『ううん、大丈夫だよ。』
「そうか。」
そんな優しい目で見ないで。
たったそれだけで嬉しくなっちゃうから。
「A、隣に座って。」
『え…。』
「お願い。」
きゅう…と心臓が鳴った。
炭治郎のことが愛おしい。
私は机の上にマグカップを置き、炭治郎の隣に座った。
すると、彼は私の頬を両手で優しく包み込んだ。
「言いたいことがあるなら言ってくれないか。
俺は超能力が使えないから、全部察することはできない。
謝っても、俺なりに優しくしても…世界で一番好きだって言っても…。
ごめん、分からないんだ。」
そう言って、少し気まずそうに眉をひそめた炭治郎が愛おしくてたまらない。
私は彼の頬にそっと触れた。
『私も…世界で一番炭治郎が好きだよ。
意地張っちゃってごめん。
だって、炭治郎が近くにいるだけで嬉しくなるなんて、ずるいよ。』
炭治郎は喜びを噛みしめている表情が分かりやすく出ていて、下唇を噛みしめていた。
「___っ…キスするぞ。」
『え…んっ…。』
宣言してすぐ、炭治郎はチュッと優しく触れるキスをした。
ほわっと気持ち良くて、溶けてしまいそうだった。
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ともりん - ここでも言わせてください!!とーんーでもねー炭治郎だ!!!(((すいません (2020年8月7日 22時) (レス) id: 66f9aed7aa (このIDを非表示/違反報告)
鬼滅の刃大好き - 続編もとってもおもしろかったです!あぁ、現実にいてほしいっっ!(笑)これからも頑張って下さい! (2020年7月3日 23時) (レス) id: 7db63c5bfe (このIDを非表示/違反報告)
莉子(プロフ) - 続編読みました!面白かったです。これからもファイトです!! (2020年6月3日 20時) (レス) id: 1d8abed5fa (このIDを非表示/違反報告)
朔夜(プロフ) - 竈門夜蝶さん» 熱いキスやで(ぶっちゅうううう (2020年6月3日 20時) (レス) id: eb37705ec2 (このIDを非表示/違反報告)
朔夜(プロフ) - 如月 哀華さん» いええええええええいいいいいい!!! (2020年6月3日 20時) (レス) id: eb37705ec2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朔夜 | 作成日時:2020年5月29日 21時