私の隣の王子様 その4【竈門炭治郎】

166.うつらうつら 〜炭治郎side〜 ページ30

Aが来てくれた安心感もあって、うつらうつらとしてしまう。
付き合う前に熱のあったAを看病し、付き合ってからは俺の看病…。
運命を感じるなぁ…。



しばらくすると、ふわっといい匂いがした。
そして、トントントンと包丁の音。
それから、Aの足音。
…すごく心地良い。



「炭治郎、できたよー。
あ、寝てる…。
どうしよ…。」



Aがこちらに来た気配を感じ、寝たふりをした。
いちいち独り言がかわいくて面白い。
うっすらと目を開けると、ベッドを背もたれにし、教科書を読んでいた。
…触れたい。



ぽんっと頭に手を置くと、Aはくるっと振り向いた。



「あ、炭治郎起きたんだね。
大丈夫？」
『うん。』
「うどん食べれる？」
『うん。』
「持ってくるね。」



立ち上がろうとしたAの頭に手を回し、唇を落とした。



「ん……こら！！
熱あったらこんなことしちゃ駄目でしょ！」



Aは怒りながらキッチンに入ったが、嫌な匂いは一切しない。
素直じゃないなぁ、もう。

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